目標設定の法則や理論ってたくさんある。
個人の目標や企業目標、その他に何か目標を達成しようとするときの意思決定だとか、指針となるようなものを定めるときに、いろいろなモデルが使われている。
今回は、そう行ったもののひとつで有名な『WOOPの法則』を紹介したい。
目次
WOOPの法則
WOOPはウップと読む
目標達成を円滑にするためのプロセスについての法則で、アメリカの心理学者ガブリエル・エッティンゲン博士よって体系化されたもの。
WOOPは、
- Wish:ウィッシュ(願望)
- Outcome:アウトカム(結果)
- Obstacle:オブスタクル(障害)
- Plan:プラン(計画)
それぞれのの頭文字をとったもので、このステップに沿って行動していくことで目標の達成率を高めることができるということで注目されている。
Wish(願望)
自分がなしとげたい目標を書き出す。
Outcome(結果)」
目標が達成されたら、そのような結果がになるかを書く。
ダイエットでいえば、3kgという目標を掲げ、それが到達されたらどうなるか?
- 着たい服が着れるようになる
- 健康になる
Obstacle(障害)」
掲げた目標達成を困難にするもの。障害や障壁としてあげられるものを書き出す。
- 雨が降ったら運動ができない。
- ダイエットに使うお金がない
- 忙しい
- 誘惑に負ける
Plan(計画)
先ほどの障害にぶつかったとき、それを克服・回避するための計画を立てる。
- 雨が降ったら運動ができない。
-
- 屋内でできる運動はないだろうか?
- ダイエットに使うお金がない
-
- お金をかけなくても手軽に行える運動はないだろうか?
- 忙しい
-
- 仕事しながらや、通勤中にでもできるダイエット法はないだろうか??
- 誘惑に負ける
-
- ダイエット宣言してはどうだろうか?
- 友達も誘ってダイエットしてみてはどうだろうか?
- 完全にダイエット活動をするのではなくゆるく行うために、スケジュールを立てて、メリハリをつけてみてはどうだろうか?
などなど考えられるのではないだろうか?
WOOPの法則の特徴
WOOPの法則の特徴的なのな、
できない理由や目標達成を困難にする要因を考えて、対策を”はじめのうちに”立てておくことだ。
いろいろな目標設定を立てても、問題にぶち当たったときに、計画が総崩れとならないように、この回避策を立てておくことは非常に有用だと思う。
常日頃から、「こういう場合はどうしよう・・・」ということを考えておくことは目標の達成のためには考えておかなければならないことだろう。
どんな目標設定が立てられるか?
- 収益
- 事業拡大
- ダイエット
- 健康
- 恋愛
- 人間関係
・・・などなど
さまざまなことで、小さくも大きくも
目標設定を立て(Wish)
それが達成した状態を想定し(Outcome)
障害となりうることを考慮し(Obstacle)
どう回避して目標を達成させるか(Plan)
こう行ったことを考えていくといいと思う。
もちろん、これらは、自分の目標設定のみならず、
- 指導者が生徒に対し
- 医療従事者が患者に対し
- コンサルタントがクライエントに対し
いろいろな場面で使えると思う。
糖尿病の運動指導においても
糖尿病に関わる医師・医療従事者のための雑誌
PRACTICE(プラクティス)の2019年36巻4号において、坂根直樹医師が紹介されている。
心的対比と実行意図を用いた運動指導
願望(Wish)
どんな運動に取り組みたいですか?
<患者の答えの例>
-
- ウォーキングを週に5回
- 筋トレを週に3回
- 水中運動を月に6回
- ラジオ体操を毎日 など
結果(Outcome)
その運動を続けることでどんな変化が起こると思いますか?
<患者の答えの例>
-
- 体重が減る
- 血糖コントロールの改善
- 合併症リスクの低下
- 若い頃の服が入る
- 抵抗力がつく
- 転倒予防になる
- 家族の印象が変わる など
障害(Obstacle)
運動を継続する上での障害は?
<患者の答えの例>
-
- 天候が悪いとき
- 仕事で遅くなったとき
- 疲れているときは運動することができない など
計画(Plan)
もしそのようなときにはどのように対処しますか?
<患者の答えの例>
-
- 雨が降ったときは近くの地下街を歩く
- 仕事で遅くなったときはスクワットのみを行う
- 疲れているときは音楽をききながらストレッチのみを行う など
目標設定
目標設定は
もちろん設定しただけではダメで、その結果・効果検証をしなければならない。
さまざまな要因を検討して、それが「達成」されるように、効果的なモデルを用いることも大切だと思う。
冒頭にも述べたけども、目標設定・達成のためのモデルはたくさんある。
自分に合ったものを取り入れていく必要があると思う。
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