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スバル

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通勤には列車を使う。

夜中
日が変わる前に無人の駅に着く。

そんな生活を長らくしている。

駅を出て、誰が乗るとも分からない自転車の群が、心細い柱に取り付けられた電灯の明かりに照らされている。

夜空を見上げると、奇麗な闇。
吸い込まれそうな冷たい空気に、僕の白い呼気が浮かんでは消えていく。

其の先にある星に気がつくと真上を見上げる。

 天

いっきに星が、宇宙が、広がる気がした。
そこにずっといたであろうに。

僕が知っている星座は、少ない。

その一つがスバル
プレアデス星団ともいい、オリオン座のすぐ隣にあって、おうし座を構成する。

小さな頃、兄に教わったのを覚えている。

「何個みえる?」

もっとも、兄は視力を鍛えるためにスバルに目を凝らしていたと思う。
パイロットになるには視力が大切だったから。

スバルは、今でもそういった思い出を提供してくれる星の集団として空に浮かんでいる。

僕は駅を出て
自転車をこいで、家に向かった。

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