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松葉杖当番

理学療法/病院

ウチのリハビリ科には、『松葉杖当番』というのがある。

捻挫や骨折で外来に来られた方の、松葉杖の調整と使用法の指導を行うもので、代々、新人さんが受け持つことになっている。

松葉杖の外来は突発的にある。
来院理由は主に外傷なので、予約を取って来られるわけではないのだ。
だから新人理学療法士はその都度呼び出されるのだ。

新人さんも最初のころは、しどろもどろながらも一生懸命に患者さんに指導をする。

指導をすることは、なにも難しい技術を要するわけではない。
理学療法の学校を出たくらいだったら、患者さんに接する体験はしているし、動作の見方は知っているはずだし、なによりも、分からなければ職場にはたくさんの先輩がいる。

そして、やりながら覚えるものだ。

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僕が今の病院に来たのは臨床5年目にさしかかったとき。
僕は経験者として来たのだけども、僕と同時に新卒の新人も入った。

松葉杖当番は僕に回ることなく、この新卒の新人が行うこととなり、その新人もいまや8年目・・・

松葉杖当番は、その後も代々新人に受け渡されてきた。

今年度も新人君が担当することとなり、彼も次春で"脱新人(=2年目)"となり、その当番を引き渡すことになるんだろう。

が・・・

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この度、僕が松葉杖当番を行うことになった。
自分で申し出たのだ。

さまざまなバックグランドがあるが、大きな理由は二つある。

一つは、全体的に患者さんの数が増えてきたこと。
僕は相対的に他スタッフより患者さんの受け持ちが少ない。そして、リハビリ(外来)受付と々フロアの病棟の患者さんを受け持っているから、呼び出された時に、すぐに来ることができる。

もう一つの理由は、新人君の松葉杖調整と指導は、ちょとアレなのだ。
働きはじめの春~夏にかけては、まだ新人君も(国家資格を得たとはいえ)しどろもどろでサポートが必要な状態。
しかし、今の次期はもはやそうは言ってはいられない。次春にはまたあらたな新人が来るので彼らにも松葉杖当番を引き継がなければならなくなる。そして、なによりも、患者さんには良い状態で家に帰ってもらわねばならない。外来のワンセッションが勝負だ。
新人君の指導を見ていると、どうも、患者さんはギリギリの状態で松葉杖を使用している。
・・・調整と指導がうまくいっていないのだ。

周りから見ていて、新人君の調整や指導のマズさに気がついた時は、その都度「グリップ位置が高いんでない?」とか声をかけるのだけども、毎回見ているわけにも行かない。
また、他の先輩たちも指導にあたっていると思うけども、それでも、新人君はうまく指導することができていないのだ。

・・・悩みもした。
が、結局、僕が松葉杖当番を受けることにさせてもらった。

やはり、患者さんにはよい状態で帰っていただきたい。
新人君の実験台や練習台みたいになっていてはいけない。

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そもそも、松葉杖の調整と指導は、そんなに難易度が高くない。
しかしながら、失敗の許されないものだ。

その一度のセッションで調整と指導を行う。
それで指導しきれなかったら、患者さんは家で生活ができないことになる。
また、指導や調整が不十分であれば、家で転倒してさらに外傷を受けることになってしまうかもしれない。

だから、不十分な状態で放っとくわけにはいかないのだ。

新人君の松葉杖指導を見てきて、

ウン(;-`д-)
ギリギリ,ダイジョウブ

なんて見てきたが、もうやめた。

やはり、しっかりとしなければならない。

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それで、今日は僕の松葉杖指導第一日目となった。
もちろん初体験なワケではない。
今まで何度も、みてきているし、緊張することはない。

調整や指導だって、新人君よりもスマートにできるに決まっている。

と、思って
外来患者さんを迎えにいったら・・・

ものすごく

すご~く

美人さん!!!!!

工エエェェ(´ロ`ノ)ノェェエエ工

新人君の見ていた世界はこんなんだったのか!
ゴメン!これは緊張するわ!

残念ながら、かっこいい理学療法士さんを演じることはできなかった。素質がないのだろう。

が、しっかりと、文句のつけどころのない調整と指導をした(つもりだ)。

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しかし、久々にやってみて、いろんな案が浮かんできた。

これからじっくりと時間をかけて、無駄のない質の高い松葉杖指導を行っていきたいと考えている。

そういったノウハウは、外来以外にも活かせると思う。

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参考

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コメント

  1. PT写真館 より:

    Unknown
    松葉杖当番を2年やってきましたが…

    ホントに中には3単位要求されるような人や、上肢に痛みがあり、どうせっちゅ~ねん‼
    っていうケースもありました。

    僕も含め指導力不足はもちろんありますが、後輩目線で言えば…

    1セッションで何とか安全に帰っていただければならないというプレッシャー、そして先輩方からの熱い視線によるプレッシャーもありましたね笑

    新人という立場上絶対に視線はプレッシャーになりますからね(^_^;)

    松葉杖指導こそ患者さんの状態が十人十色な印象です。

    我こそ反省反省と思いました

  2. kazz より:

    >PT写真館さん
    ほんとに、困難症例はあるよね。
    そもそも、松葉杖の適応でなかったりとか・・・

    視線・・・熱いやつね(笑)!

    たしかに、新人にはかなりのプレッシャーだろうね。

    でも、この次期はそろそろ職場にも慣れているだろうし、先輩方の指導もたくさん受けているだろうから、ある程度のことはできないといけないよね。
    (入ったばかりは、新人バイアスでなんとかなるけども・・・)

    なので、そもそも年配の僕がすればいいと思って・・・、今回のようにしてみたよ。

    新人君があらためて勉強したかったら、また時間のあるゆっくりとした時がいいかもね!(そんなゆとりのある時はナカナカ来ないかもしれないけど・・・愚)。

  3. korokoro より:

    Unknown
    松葉杖当番なんてのがあるのですね!!

    私が通っていた(手術入院した)病院では、担当の理学療法士さんがそういった事をされていました。病院によっても色々なんですね~
    ま、使いながら自分なりにコツを掴みましたが。

  4. kazz より:

    >korokoroさん
    松葉杖当番はあくまでも、外来の方に対して新人君が担当になんですよ。
    外来なので、多くの場合は1回きりの指導なんです。
    (入院の方は、完全担当制でやっています。)

    指導のあとに、患者さんが無事歩けているか、転んでいないか・・・心配なものです。

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