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AVERT

理学療法/病院

新人君に宿題を出していた。

今月の医学雑誌『Stroke』の記事

Critique of A Very Early Rehabilitation

この翻訳。

・・・翻訳というかこの記事の内容を読んできてというものだ。

先に出された新しい知見として、超早期の離床介入が、予想に反して良い結果をもたらさなかったという報告がある。

学会は少し慌てた。

こんな結果が出た理由についてもっと考察を深めなければならないとか、この結果によって、早期のリハ介入をやめてしまってはならない、という内容の記事が追加してだされるほどだった。

多分にもれず、日本では少し遅れて、記事になった。

今回の記事は少し進んでいる。
このような結果(超早期リハ介入が、悪影響である)というものに対しての考察を深めたものだ。
さすがにアメリカはテンポが早い。

去年の段階で、僕の所属する勉強会ではいち早くこの論文の紹介をしていたし、リハビリ業界の記事でもAVERTは取り扱われていて、脳卒中リハに関わるセラピストならば知って欲しいものだ。

なぜ、今回の記事の翻訳を宿題に出したかというと、その宿題の出来(理解)を聞けば、彼が日頃から勉強しているかがわかるからだ。

英語の論文ではなくとも、日本の記事に触れていれば、さすがにAVERTのことは知っているはず。
だから、脳卒中についての情報収集をしていれば、この論文の翻訳はさほど難しくはないと思う。

けども、結果から言えば、新人君はできていなかった。
まったく逆の解釈をしていたし・・・。
思い込み(早期リハ介入は有効なはず)から翻訳を進めていたから、この記事の理解もアベコベなものになっていた。

彼は、記事の翻訳をするという課題だと思っていたかもしれないけども、この記事の内容が分かってになかったということは、つまり、日頃から論文読んだりしていなかったのではないの?というのが僕の解釈。

まぁ、1年目だから全てをこなせるわけではないし、社会人としても一臨床家としても急成長のまっただなかにあるから、彼を全否定するつもりはない。
ただ、僕の考え方として、新人には、勉強する特権というか義務というものがあると思っている。

先輩よりも経験がないぶん、本を読んだり、論文で最新情報を手に入れて、そこだけは先輩よりも先に立つことが大切になると思う。

この時期、新人も仕事には慣れてきて、生活が楽しかったり給料が自由に使えたりする。

どんどん自由になることが増える。
だからこそ、おろそかにしてはいけない部分がある。

気を引き締めて自己研鑽にあたってもらいたい。

という老婆心。

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