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病室にて

理学療法/病院

夫は
意識の遠のいていく妻に語りかける。

優しく、ゆっくりと・・・

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よかったなぁ。
来週には家に帰れるんだよ。
看護師さんたちが、そんなことを真面目に一生懸命準備してくださったんだ。
よかったなぁ。
でも、決まってはないんだよ。
決まってはないんだよ。

みんなに助けてもらって、帰ろうなぁ。

----------------

相変わらず天井を見つめている妻の唇が、動く。

ナミダ フイテ。

夫は慌てて妻の顔にハンカチでをあてがっていたが、妻の目から涙は流れていなかった。
むしろそれは夫の目に蓄えられていた。

妻はこう言いたかったのか
「あなた、泣いてちゃダメよ。」と・・・

病に臥した身で、なおも夫を気遣う妻。それにまったく気がつかない夫。
あるいは、以前からこの夫婦はこうだったのかも知れない。

----------------

「祈り」や「願い」
そういうものが叶うのならば、いまこの一対の夫婦にその力が向けられるべきだと
そう思う。

僕達の知り得た医療の力は、やはり非力でありながらも、ある方向に向かって腕をのばしていっている。

とどけ!
 とどけ!

そうやって、すこしでも得られる幸せがあるのであれば、僕等はなおも腕をのばしていくのだろう。

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参考

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コメント

  1. Sot より:

    Unknown
    たぶん、あのご夫婦ですよね。

    何とかしてあげたいと思います。
    私に、何ができるんでしょうか?
    行動あるのみ、でしょうか?

    やれること、捜してみます。

  2. kazz より:

    >Sotさん
    あのご夫婦です。

    みんなで力を合わせて、「できる限り」を考えていきましょう。
    専門家として、使える知識、使える技術を総動員です!

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