理学療法・・・に限らないかもしれないが.
「ゴール設定(目標設定)」
という言葉がある
自分たちのセラピーによって患者さんにどのような変化をもたらすのか?
それは,疾患や社会的背景を含んだ
「患者さんの状態」
と,理学療法士としての
「技術(腕)」
とが深く関連して出されるものだと思う.
最近気がつくのは
「なんとなく目標」
と名付けている(失礼!)ゴール設定である.
「予言」と言い換えてもよいような曖昧な目標設定である.
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同僚理学療法士に聞く(たいがいは経験の浅い理学療法士に聞く).
「ゴールは?」
この問いに対して,
退院時の全体像を答える人もいるし,身体の局所的な変化を答える人もいる.ADL(日常生活動作)レベルで表現する人もいる.
・・・黙って考え込んでから答える人もいる.
・・・話をそらしてから答える人もいる.
そして,次の疑問符はこうだ.
「いつまでに?」
黙ってしまう場合が多い.
でも,結果,出てくる答えは「2週間」とか,「1ヶ月」という時期を答える.
そもそも,STG(: Short Term Goal 短期目標)やLTG(: Long Term Goal 長期目標)の目標設定をしていても,期間を全く考慮していない場合がある.
僕は,こういうことにしている.
「僕らは週5日勤務だから,1週間には5セッションのセラピーをする機会がある.」
「1ヶ月後にその目標を達成するという設定は,あと20セッションのセラピーでそこに到達しなければならない」
「その20セッションのうちの1回の今日はどんなことをするのか?」
「つまり今日取り扱う"問題点"と今日のセラピーの到達目標はなにか?」
自分に対する問いかけでもある.
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僕らのセラピーは20分,40分,60分の枠で行われる.
では,患者さんは20分前と何が変わったのだろうか?40分前と何が変わったのだろうか?60分前と何が変わったのだろうか?
同僚理学療法士に聞くのは,自分の戒めのためでもある.
自分はよい理学療法をしているのか?
こんなことを言われる場合が有る.
「患者さんの変化(回復)を理学療法士がさせたと思ってはいけない」
確かにそうだと思う.理学療法士はリハビリテーションの面に深く関連しているため,「自分(だけ)が患者さんを良くしたんだ」とおごり高ぶってはいけないと思う.
しかし,同時に
僕らは患者さんを良くする職業(技術者)だということも考えなければならない.
もし僕が患者さんを良くしていなかったのならば,存在の価値が(あまり)ないのではないだろうか?
ボバース概念の資料にこんなのを見つけた.
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■no change・・・・・・・Therapy is changed
■worsens・・・・・・・・・Therapy is changed
■improve・・・・・・・・・Therapy is changed
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つまり
■変化がない場合
セラピーを変化させる必要がある.なぜならば変化がみられないのだから.
■悪化した場合
セラピーを変化させる必要がある.なぜならば悪化したのだから.
■改善した場合
セラピーを変化させる必要がある.なぜならば改善したのだから.
僕はそう捉えている.
自分のセラピーによる影響が患者さんに回復に深く関連していけるように精進したい.
コメント
Unknown
初めまして、ブログを開設しているPTです。宜しくお願いします。
どうも
じつは・・・「初めまして」ではないと思います.以前コメントをいただいております.
改めまして
お久しぶりです(笑)!
ぷろPTさんのブログですが,勝手ながらリンクさせていただきました!