夏目漱石の「それから」を読んだ。
本当はエミリー・ブロンテの「嵐が丘」を読もうとしてたとこだった・・・
「嵐が丘」は何度も読んでいるが、「それから」は初めて。
実は、「嵐が丘」は邦画化されていて、主人公が「松田優作」。
同じく、「松田優作」が主人公を演じている映画に「それから」があるのだ。
(映画の方は見ていない)
そんなご縁で、小説「それから」を読むことになった。
縁って凄いね!
読んでびっくり!
「嵐が丘」と「それから」の両方とも、深い「恋愛」を取り扱っているのだけど、両方とも「復讐」という表現でその恋愛を語っている。
表裏としての「恋愛」と「復讐」。
そして「復讐」の前後には「罪」と「懺悔」がある。
「嵐が丘」と「それから」の見事な合致に運命を感じる。
批評では、「それから」は主人公の「恋愛」が、悲劇に向かうように書かれている。
けど、僕はむしろ迷いの無い強い決心や自分の獲得と言った要素を強く感じる。
「・・・罪を犯す方が、僕には自然なんです。世間に罪を得ても、あなたに懺悔する事が出来れば、それで沢山なんです。これほど嬉しい事は無いと思っているんです。」
恋をするという事と、罪を得るという事の同一性に心を打たれた・・・
「あなたを愛しています」
ではなくて、
「あなたに懺悔する事が出来れば、それで沢山なんです」
と・・・
これほどまでに深い感情表現。
心をえぐり取られそうだよ。。。
次は、同じく夏目漱石「門」を読もうと思っている。
「それから」は親友の妻との恋愛を描いているのだけど
「門」は「それから」のそれからになるようだ。
つまり、親友の妻と結ばれたという罪を背負った人間の物語とのこと。
ちなみに、「三四郎」のそれからが「それから」にあたるらしい。
(「三四郎」「それから」「門」は夏目漱石の前期三部作とされている。)
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