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シーラ

戒律(カイリツ)

様々な宗教で、この「戒律」が作られ守られている。
また、宗教のみならず、文化や個々の教育の中にも存在する。

仏教ではこの解釈すこし独特であったりする(宗派や時代の別もあるだろうが・・・)。

戒律=守らなければならないコト

ではない。

「戒」という語は、もともとはサンスクリット語(あるいはパーリ語)の「シーラ」という語の漢訳で

■習慣

という意味らしい。

たとえば、仏教では

■不殺生戒(フセッショウカイ)

というのがあるが、これは、

「殺すな!」

というメッセージではなくって

「殺さない習慣を身につけよう」

という意味らしい。

コレに従って、主な戒律を見ていくと

■不妄語戒(フモウゴカイ)
なるべく嘘をつかぬように

■不邪淫戒(フヤインカイ)
なるべく淫らにならぬように

■不殺生戒(フセッショウカイ)
なるべく殺さぬように

■不偸盗戒(フチュウトウカイ)
なるべく盗まぬように

■不飲酒戒(フオンジュカイ)
なるべく酒を飲まぬように

と、こう考えていくことができる。
(あるいは「みだりに~しないように」と言い換えることも出来るのかな)

なぜ、「習慣性」だったり「なるべく」であったりするのか・・・

それは・・・
『無理だから』
である。
(勝手な解釈だが・・・)

殺すなといわれて、出来るだろうか?
害虫駆除や食物連鎖、知らず知らずに踏みつけ殺した小虫・・・

不殺生なんて無理である。

嘘付くなといわれて、出来るだろうか?
天気予報の誤り、約束の時間に遅れる、あえて違う事を言わなければならないとき・・・

不妄語なんて無理である。

では、この曖昧な「習慣性」や「なるべく」が何をもたらすか。

それが、

■懺悔(ザンゲ:ごめんなさい)
■感謝(カンシャ:ありがとう)

なんだと思う。

「なるべく殺さぬように」ということがココロにあれば、

なるべく殺すべきでないものを殺したときに

「殺してしまって、すみません」

とか

「ごめんね、私の生活のために殺させていただきます」

といった「懺悔」と「感謝」の気持ちを持つ事が、可能になる。

そして、この「習慣性」や「なるべく」は、心に隠された影の部分を意識させる。

「殺してはいけない」という絶対禁止だとすると、殺してしまった場合に「私は殺していないんだ」とか、「この場合は殺してもいいんだ」と自己矛盾を抱えたりする。

あるいは、

「迷惑をかけてはいけない」

という名文句があるが、実際には、我々は迷惑をかけて生きている。
「迷惑をかけない」ことよりも「迷惑をかけている」そのことを実感する事が必要なのだと思う。

「迷惑をかけながら生きている」

という事を知ることが大切だ。

そして、そのこと(迷惑をかけながら生きているということ)に懺悔・感謝するが重要となる。

「私は誰にも迷惑をかけていない」

なんて、自分が決める事ではないような気がする。

「迷惑をかけて生きている」ことを知ることで「ごめんなさい」と「ありがとう」という気持ちが起こる・・・

「殺してはいけない」という宗教・文化圏においては、

生きていく上で殺す対象を限定したり、「弱肉強食」の原理が生まれたりする。
某経済大国アメリカの資本主義が特にそうではなかろうか?
それを追う日本も、(というより戦後、アメリカ型資本主義至上主義に洗脳された日本も)何でもありのヤバイことになっているし・・・

なにか、心が滞ったときに、この「戒(シーラ)」という語を思い出す。
そこで、自分の軸みたいなものを再確認していく事が必用だな・・・「懺悔」と「感謝」とともに。

コメント

  1. cyama より:

    Unknown
    半世紀以上を生きてきて、厚かましくも、犯した罪の数々を、とかく、忘れがちになってしまうのですが、思い起こせば詫びたいことが、山のようにあります。KAZZさんのブログを読むことで、考えさせられたり、心洗われたりしてきましたが、今日また、少し、救われた思いがしました。なにげない一言で、人を傷つけた事もあって、子供の頃のことなのに、未だに思い出すと辛くなる事があります。その人にとって、どれだけの重みがあるのかは、分かりませんが、自分としては、未だに忘れられない事なんです。

  2. kazz より:

    >cyamaさん
    人を傷つけたコトって、残りますね。

    僕も思い出すたびに胸がグーって押しつぶされそうになります。
    ほんとに辛いんですよね。

    「やり直したい」とか、そんなの通り過ぎて、ただただ苦しくなります・・・

    僕の記事で、cyamaさんが「少し、救われた」のであれば、僕もまた少し救われます。

    コメントありがとうございました!

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