僕は理学療法士として患者さんに関わっている.
理学療法士は患者さんの機能回復に直接的に関わることが多いこともあってか,感謝されることも多い.
患者さんの人生の一部に関わることが出来て,(しかも感謝されるなんて)非常に有り難いことだ.
・・・しかし
困ることもある.
退院間際になると,患者さんはゴソゴソとして小声でこういうのだ.
「先生!コレ.ほんの気持ちだから・・・」
封筒だ・・・.
中身は「お金」なのだ.
患者さん同士で相場が決まってかどうか知らないが,1万円が包んであることが多い.
患者さんはヨカレと思って,個人的に渡してくれるのだ.
しかも,病院中に
「職員に対するお心付けは御断りいたします」
なんて張り紙があるもんで,コソーと渡してくれるのだ.
「僕は貧乏だしありがたい!いただきま~す!」
なんてワケにはいかない.
- 職員として貰わないのがルール
- 本来,理学療法を施行した対価は診療報酬として患者さんに"既に"請求されている
- 病院からは,我々には"専門職"としてサラリーが支払われている
このようなことを教えてくれたのは,母(看護師)だ.
レ( ̄ー ̄)ゴモットモ!!.
なので,以前は断っていた.
「貰えません」
の一点張りをすればよいのだ.
でも,患者さんも策略家で,こんな場合がある.
お手紙・・・(with 1万円)
これだと,断るわけにはいかないのだ.
一生懸命,機能回復を遂げた気持ちを綴った手紙を断る?
なので,最近では,封筒は全て受け取っている.
(ただし,あからさまにお金と分かる場合は断る)
で,こう言う.
「預からせていただきます」
で,手紙は頂く.
お金は・・・返す.
(これでもルール破りスレスレだろうが)
返す場合も手がいる.
そのまま,返しては受け取られないこと間違いなし!
- お部屋(ベッド)にこっそり返す
- 家族に返す
- 看護師長に御願いする
- 自宅に郵送
こういったところだ・・・
これまでで,さらにお金を渡されたことはない.
(知らないうちに,デスクの上にお金があるとか・・・)
患者さんも悟ってくれるんだろう.
とにかく!
貰ってはいけない.
それがルールだ.
確かに,お金は欲しいが,貰った時点で専門職(プロ)のポイントが減っていくと思っている.
(「専門職のポイントって,なんだよそりゃ?」)
さて,どうしていいのか分からないのは
- ウニ
- 自宅でとれた野菜
- マスコット(手作りキーホルダー)
- おかし
- ティッシュにくるんである饅頭
病院のルールとしては
■受け取らない
と答えは出ているのだが・・・
コメント
Unknown
そういう面ってけっこう大変なんですね。
お金は受け取れないのはわかりますが、お菓子とかは・・・
お金よりは軽い気持ちかもしれませんがやっぱり受け取れないんですね。
でもナースセンターとかって(うちも母が看護師)いっぱい患者さんからもらったお菓子とかがあるイメージがありますが・・・
Unknown
医療従事者としては、よくあることですよね…?
学生のころ、どんなふうに断るか、ロールプレイで練習までしたことがあります。けど、相手の気を悪くしないように…なかなかうまく断ることは難しいですね?患者さんも気持ち良く退院していけるような、いい断り方あったら教えてほしいです。
返事遅くなりました!
コメントありがとうございます!
返事遅くなりましたが・・・
>まいけるさん
そうなんです.お菓子が増えるんです.ダメだけど・・・
以前,母親の職場であったことらしいですが
—-
患者さんの持ってこられたお菓子をスタッフが断っていたら,患者さんは怒って,そのお菓子を義実箱に投げつけて帰った・・・
—-
なんてことが有ったらしいです.
気分を害しますよね.患者さんも.
ただ,そう言ってもらい続けていると,いくらたっても患者さんはお菓子屋ら何やらを持ってこられるそうです.
断り続けていると「あそこは持って行っても断られる」というのが定着して,持ってこられなくなるとか・・・
どうなんでしょうね・・・
>オクさん
いい断り方・・・あったらいいですね.
でも,マニュアル化して行くってのも悲しいものがありますよね.
「良い方法」的なところでとどめたいですね.
病院もローソン化するとつまらないような気がします.
サービス業はサービス業で間違いないと思うのですが・・・
Unknown
貰った時点で専門職(プロ)のポイントが減っていくと
訂正させてくださいませ
誤ってGo!ボタンを途中で押してしまったようです。すみません・・・
「貰った時点で専門職(プロ)のポイントが減っていく」という考え、好きです!
私は患者さんの立場でしか考えられませんので、何らかの形で感謝の気持ちを表わしたいという気持ちはよく分かります。
とりわけうちの母のような世代は、「絶対せな!」(強制されている感じでなく気持ち的に)という観念に襲われるような気がしますね。
お気持ちだけで
患者さんは本当に気持ちを込めて持ってこられるのですが・・・受け取れません(基本的に)
「お気持ちだけで結構ですよ」
って,本当にただの断り文ではないのです.
本当にお気持ちだけでうれしいです.
ただ,病室では
「○○さんもお礼をしていたから,私もしないと・・・」
といった社会的行動に移られるかたも少なくないと思います.
病院では,結構,曖昧ルールなんです.