看護師さん「どんなドラマよりも感動しましたよ~!」
患 者さん「絶対ウソだ(照笑)!」
なんて、明るい会話がされた!
この患者さんは、「訓練拒否」のあるおじさんだった。
看護師さんは、患者さんの一生懸命頑張っている姿をみて感激していたのだ。
----------------
その日は後輩君が休みだったので、彼の担当患者さんの一人を僕が代わりに行くことになっていた。
前日(というか前夜)のうちに、後輩君からの申し送りをきいていた。
この患者さんは以前も僕が後輩君の代わりに担当させたもらったことが何度かある方なのだが、患者さんは、後輩君よりも僕に担当してもらいたがっているとのことだった。
理由は、「楽だから」といった内容(笑)。
患者さんの立場からすると、後輩君が無理に歩行訓練をすすめ、痛いこともドンドン進めて行くのに比べ、kazzは痛いことしないというのが理由になっていたようだ。
患者さんの訴えを聞き、看護師さんもkazzに担当交代がよいと考えていたとのことだった。
しかし、後輩君の論は
『楽にさせてあげるのもいいけども、それでは患者さんの機能回復がすすまない。』
というところにあった。
つまり、「甘やかしてはいけない」というところか・・・
後輩君は、看護師さんにも、「やることはやらなければならない(ので痛みや拒否もやむを得ず)」という説明をして、 kazzへの担当交代を考えていた看護師さんを説得したらしい。
そして、僕にも「歩行訓練まで進めてください」
ということを言ってきた。
これは、僕に対する反発とかそういうのではなくて、自分のアプローチにの考えをしっかり持っていて、しかもそれを述べることができるということなので、良いことだ。
さて
前日のうちに話ができたのは良かった。
----------------
後輩君もさじ加減で悩んでいるわけだ。
■苦痛を伴う訓練をすすめてでも、機能回復をすすめるか
■安楽にすすめることで、機能回復を遅らせるか
しばしばこういった微妙なバランスを図る必要がある。
しかし、この視点では患者さんに寄り添えない気がする。
答えは既に明確に用意されている。
それは
■安楽にすすめて、かつ、機能回復を図る。
というものだ。
これが患者さんの求めておられることだと思う。
んで、専門家(=理学療法士)としては
「実はそれができちゃうんですよ!」
という答えをなるべく用意しなければならない。
辛いのがリハビリでない、痛いのがリハビリではない。
身体的であれ、精神的であれ、できる限りの苦痛を取り除かなければならない。
「安楽にすすめる」というのは、負荷をかけないということだけではない。
負荷も楽に感じられる状況/環境づくりを行うということだ。
----------------
「kazzは楽なことしてくれる」
と患者さんが思ってくれていたので、僕は歩く練習をすすめやすかった。
結果、患者さんは「歩く」という選択肢を見つけ、病棟で歩くことが出来た。
訓練室で歩くのではなく、病棟の廊下で歩くことをしたので、看護師さんの目にも留まる。
だから、冒頭の「どんなドラマよりも感動しましたよ~!」という発言になる。
そもそも看護師さんは、いままでこの患者さんについては、「一生懸命やらない意欲のない人」と思っていたらしい。
なぜならば、患者さんが一生懸命頑張って歩く練習をしておられたのは「訓練室」
看護師さんがこの患者さんをみるのはクタクタの状態である。
だから、グタァ~として、やる気のないような状態をみておられたのかも知れない。
----------------
とにもかくにも、良い結果が出せてよかった。
後輩君にも、
『ほらね。無理しない方が、進むってこともあるんだよ』
と言える。
コメント