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栄養学・運動学に必要な、あと2つの軸

理学療法/病院

毎週水曜日の朝は糖尿病のチームで文献抄読会!

医師(含、ローテの研修医)、看護師、管理栄養士さんたちと12名程度での勉強会だ。

スタッフで持ち回りで文献を紹介する朝の会。
だいたい30分かけて文献の紹介と、医師による論評・解説・ディスカッションを行う。

今日の当番(←文献抄読をする人)は僕。

前日まで何を発表するか決めていなかったのだけど、どのみち大量の文献を普段から読んでいるので、ネタには困らない。

今回、僕が選んだのは

医療雑誌『離床栄養』2017年3月号の特集
■時間栄養学/時間運動学
”時間軸の視点”からの臨床へのアプローチ

骨格筋における時間栄養・運動の役割(青山晋也)
肥満・エネルギー代謝における時間栄養・運動の役割(高橋将記)
生体リズムから摂食時刻の重要性を考える(加藤秀夫,出口佳奈絵)
胃運動と体内時計(永井成美)
運動のタイミングと脂肪燃焼(岩山海渡,徳山薫平)
ヒトの食事摂取時刻と健康―大学競技者を中心に(川野因・他)
時間栄養学を活用した栄養相談(蒲池桂子)

臨床栄養 130巻3号 時間栄養学/時間運動学 -“時間軸の視点
クリエーター情報なし
医歯薬出版

時間栄養学については興味を持っていたので、この特集は大変ありがたかった。
論文を読んで、これからの分野だということもわかった。
残念でもあるし、希望でもある。

こういった、時間栄養学・時間運動学については、
理学療法分野の雑誌で先に特集を組んでいたらよかったのに・・・という軽い嫉妬もあるのだが、専門分野においても、だいたいこういうのは遅かったりすると感じている(理学療法分野)。

世界の論文を読んでいて、いつも気になるのは、
理学療法介入をおこなった(あるいはリハ介入を行った)という記述で、そこに効果の有無や程度を求め地得るものがある。
けども、何をどの程度か?ということについては言及されないことが多い。
おそらく、個体と効果のばらつきが大きいからなのだと思う。

なので、個々の理学療法技術がどうのという話題は、効果検証されていなかったりする。
(しかし、セラピストは自分の持っている技術の介入効果を根拠の薄い状態でありながらも強調しがちだ)

そして、時間軸を検討したものになると、数はさらに絞られてしまう。

近年、リハ栄養の分野の中で、BCAAを運動後(リハ介入後)に摂取するという記述は、時間栄養・時間運動学に近づいてきているなと感じる。

のだが

時間栄養学・時間運動学
実際はどうだろうか?

リハ介入と称して、セラピストの介入時間にのみ運動を行なった効果が検証されていたりする。
大切なのはセラピスト介入時間以外の過ごし方であったりもすると思う。
また、セラピスト1日の介入が、時間栄養学的に(あるいは時間動学的に)理にかなったものであるか?そういった行動をセラピストたちがとっているかは、疑わしいのではないか?(・・・好きな時間に介入しているだけだったりする)

訪問リハでもそういうことが言えるのではないか?
セラピスト介入時に何をやるかという話・・・で止まっていたりするケースもあるのではないか?

患者さんから聞いた話だが、訪問リハで、セラピストが来た時間に(のみ)運動をしているという話もあった。
また、週に2回、セラピストが来た時間にセラピストと輪投げをしている・・・とか。

リハビリテーションも多様性を持っているとはいえ、これでは役に立たないだろう・・・という話に触れる機会も少なくない。

また、病棟での食事提供時間・・・どうだろうか?
朝食を9時に終えた患者さんに11時半過ぎに昼食を提供していたりもする。

どのような疾患背景があっても、病院の体制で食事提供がなされていることが多いのではないか?

病院でのリハ介入にせよ、訪問リハでの介入にせよ、それ以外の時間をどう過ごすかを、患者さん本人やご家族、関わる施設スタッフなどに情報提供・指導していく必要が、本当は、ある。

時間〇〇学
・・・臨床の中で、これからもっと重要視される概念だと思う。

食事はなぜ大切か?
3食とる理由、朝食をとる理由。
睡眠をとる理由、運動をする理由
などなど、なぜそれが必要かを知っておきたいと思う。

さて、時間栄養学・時間運動学のお勉強・・・
僕はといえば、朝は缶コーヒーのみ、深夜にはラーメンという生活を数年来続けている。

今夜もこれ

これでいいのだ。

時間以外にも大切な軸
もう1つの軸は「個体」にあると思う。

遺伝子、また生活背景に伴う腸内細菌叢のあり方など
そういった者を総和した臨床が、これからAI(Artificial Intelligence:人工知能)を用いて可能になるだろう。
AIは膨大なデータを用いたパターン分析が得意だからな。

そういうことを予言しておく。

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