おばちゃんは、元気がでてきた。
病気のせいで痩せた体でだったけども、苦しいとき以外は笑顔で過ごせるようにされていた。
やっと家に帰るメドがついて、試験的に家に帰ってみて
犬の・・・なんだったっけ?
名前忘れたけど、小さい室内犬とも出会って。
お化粧をするだろうからってことで、作業療法の処方もだしてもらった。
指や手の変形があったから、工夫がいったんだよね。
で、いよいよってときに
また病気が悪さしてね
ようやく
ようやく
だったのに、また起き上がれなくなってしまった。
そして
体も動かせる状況じゃなくなって、
というか、命を左右されるだろう状況になってて・・・
お見舞いに伺ったら、
酸素マスクの奥で
ハァハァ・・・
と言いながら、コクンと頷かれたんだ。
眼球までむくみがきていて、うつろだったんだけども、僕がみえたろうか・・・
それで、
僕がおばちゃんを見たのがそれが最後になった。
最期の数日はもう覚えていない。
朝だったか昼だったか
作業療法士の女の子に、おばちゃんがいなくなったことを聞いたんだ。
全部用意した。
おばちゃんが家に帰るための、道具。
トイレも改造した。
身体の動かし方も考えた。
あとは帰るだけだったんだよね。
あの室内犬も、老犬なんだってね。
全部用意された家で待っていたんだよ。
あれから、どのくらい経つかな
まだおばちゃんの帰りを待っているだろうかね。
早く帰らせてあげたかったという気持ちと
できる限りのことをしたんだという気持ちと
おばちゃんがコクンと頷いたのが、「辛い、悲しい」と言っていたようにも思えるし、「大丈夫」って言っていたようにも思える。
それとも「辛いけど、もう大丈夫」だったのかな・・・
いまはもう解放されて、安らかな安らかな、本当に安らかな眠りについていると、そう信じている。
コメント
安らかな眠り
私も信じています。
犬の名前はジョン。
トイレも素敵に改修されました。今度写真を見て下さい。
re:安らかな眠り
>モリさん
ありがとうございます。
そうでした。そういう名前でしたね。
また、よろしくお願いします。
Unknown
いろんなことがあるのが病院というところ。あの時ああしていれば・・・みたいな後悔とかあるのが人生だ。
一度しか使えなかったベッド、間に合わなかった車椅子・・・次のチャンスにはまたもう一度挑戦しよう!!
>某Drさん
コメントありがとうございます!
そうですよね。
残念なことも、そうでないこと
いろいろな蓄積、経験をもとに、今これからよりよいものを提供していければと思います。