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イヴに

とある後輩君と、勉強会をすることになった。

勉強「会」とかつけると大げさだな・・・

というのも
二人(マンツーマン)ですることにしたから。

相手は
2年目の理学療法士で、僕よりかなり下の男の子なんだけども、実直な様子なので、いじってみることにした。

キッカケは、先日の図書館の件

かれは、僕の命じた(?)とおり、ちゃんと図書館に通っていたので、すこし鍛えてみようと思い立った。

( ̄^ ̄;)ウーン
僕もそんな年頃か・・・

この勉強の主旨は、

『後輩君が英論文を読めるようになる』

というところ。
後輩君は英語が大の苦手らしい。

でも
せっかく、ウチの病院には良い図書館があって、最新の情報があるんだから、『英語』というだけで、全く避けてしまうのはもったいない。

僕も英語がそこまで(教えるくらいまで)得意な訳ではないけども、努力をすれば読める範囲にいると思う。

てことで、その手ほどきを後輩君にすることにした。

・週一回のペースで行う。
・30分~1時間
・せっかくなので新しい論文をテキストに学ぶ
・1回につき1論文を扱う。
・論文をくまなく読むことはせず、要所を取り扱う。
・宿題あり(と言っても吸う単語暗記や文を読み返す程度)。

ということにした。
6ヶ月後には文献を読める様に・・・少なくとも英文献を手にとって、要約がなんとなく分かることを目的にする。

んで、先週に予定を組んでみた。

後輩君曰く
「来週ですかぁ・・・24日はどうですか?」

「ん?その日いいの?」

「kazzさんさえ良ければ・・・(*´д`*)ポッ」

男2人でナニしてる?

ってことで、今年の・イヴは後輩君と勉強会(英文読み)を初めた。

熱い一夜・・・
(*´д`*)ポッ♡
↑バカ

さて、今回取り扱ったのは
Leg Clots May Not Travel to Lungs

という・・・

あ・・・文献じゃないや、記事。
(「Archives of Surgery」という雑誌に載っているらしいけど、ウチの図書館にはなかった)

平易な文章で良かったから、コレにしてみた。

後輩君も英語が苦手だからソフトにはじめないといけないと思っている。

読み進めると、案外後輩君も知らない単語があるある。

当然知っていると思っている単語も知っていなかったり。

でも、知らないことを嘆くよりも、知らないことを知った喜びの方が大きいな。

今日知ったワケだから大きいだろう!

でなことで、来週に向けての宿題は

----------------
【単語の暗記】
■lung:肺
■pulmonary emboli(PE):肺塞栓
■lower extremities(L/E):下肢
■upper extremities(U/E):上肢
■deep vein thrombosis(DVT):深部静脈血栓症
■appear:現れる
■issue:発行物(あるいは「~号」)
■trauma:外傷
----------------
【文章読み返し】
■New research raises doubts about the long-held medical dogma that dangerous blood clots in the lungs, known as pulmonary emboli, originate from clots in the deep veins of the legs or other parts of the lower body, which then break up and travel up through the body.

■A study appearing in the October issue of the Archives of Surgery found that 85 percent of trauma patients with pulmonary emboli showed no sign of deep vein thrombosis, or blood clots in the lower extremities.

■Among 46 patients with PE, only 7 also had DVT, or 15 percent.
----------------

知っている方からは「レベル低ゥ~」と、思われるかもしれないけども、こんなことを毎週半年も繰り返しやってたら、きっと大きなものになる・・・て思うんだよね。

今回は、肺塞栓を起こす血栓は下肢以外の部位(肺原発や上肢や他の臓器)から起こるということも考えられるよね、というような指摘を取り扱った。
こういった内容で、今のDVT予防は、もっと考えを広げるべきではないか?使用基準はどうか?下大動脈フィルターの有用性はどか?とかも、話しを広げることもできる。

こうやって、比較的あたらしい英論文にふれつつ、いまの病院の話題もできるし。
僕の理学療法哲学を教え込むにも丁度よい。
テキストも、僕の趣味のものを選べられるわけだし

そして、マンツーマンだからごまかしがきかないわな。
マンツーマンだからこその不利益もあるけども
100%相手に力を注ぐことができるしよい。

あと、今日やってみて気がついたのは、僕もかなり勉強になったってこと。
分からないヒトに伝える(教える)のって言うのは、難しくもあり、やはりおもしろいな。

んで、次週は1月2日になった。
相変わらず、『そんな時にそんなことしないでしょ?』って日程な気がするが・・・

次回の読み物は
AHAの雑誌「Stroke」(2009年12月号)から

Functional Electrical Stimulation of Ankle Plantarflexor and Dorsiflexor Muscles. Effects on Poststroke Gait

ちょっと、理学療法っぽいでしょ。

はっきり言って、内容的にいい論文な訳じゃないけど、理学療法士として「触れやすい内容」だなとおもって。

てなことで、
そんなクリスマス・イヴ!

勉強会を終えた後、

『これは、有意義ですよ~!!』

と感嘆の声を漏らしてくれたので、嬉しかったな。

負担にならぬように、かといって厳しく、かといって楽しくやって行けたらと思う。

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参考

KAZZ BLOG「結局」(2009年12月14日)

コメント

  1. MasA より:

    Unknown
    poststrokeの訳から躓いた僕です。

    abstractのみ読んでみて内容的に僕が嫌いなタイプの論旨であると判断しました 笑 

    でもいかにもPT的な内容なので、読みやすいですね。

    後輩君が羨ま鹿。ヤキモチ

    先日教えてもらった、DVTと弾性ストッキングの文献の正式タイトルを教えていただけないでしょうか。お願いします。

    甘えん坊でごめんなさい←

  2. kazz より:

    >MasAさん
    今日は全角でいらっしゃい(笑)!

    post stroke:脳卒中後

    分からないことに気がつくって成長だよ!

    嫌いなタイプだと気がついたってことは、何となくでも分かるってことで、それはそれで良いでしょう。

    ただ、嫌いなタイプのものでも読んで行く寛容性が必要で、
    案外学べるかもしれないよ。
    ・・・とかいって、僕は人一倍好き嫌いが激しいけどね(笑)!

    先日のDVTのは、LANCET(2009年6月6日号)のもので
    『Effectiveness of thigh-length graduated compression stockings to reduce the risk of deep vein thrombosis after stroke (CLOTS trial 1): a multicentre, randomised controlled trial』
    http://www.thelancet.com/journals/lancet/article/PIIS0140-6736(09)60941-7/abstract

    そして
    『Thigh-length compression stockings and DVT after stroke』
    http://www.thelancet.com/journals/lancet/article/PIIS0140-6736(09)60990-9/fulltext

    ご参考までに・・・
    また、おもしろいものがあったら紹介してね。

  3. MasA より:

    Unknown
    ご丁寧にありがとう御座いました^^

    勉強します∀

  4. kazz より:

    >MasAさん
    どういたしまして!

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