スポンサーリンク

ドナドナ

キュゥゥゥン
キュルキュルキュル

涙が出そうだった。

事務職員によって連れて行かれる彼を僕は
守ることができない・・・

廊下の向こうに連引っ張られていく彼を横目で見ながら
「ゴメンヨゴメンヨ」と思うしか無かった。

もしかしたら、僕の生活全てを投げ出して彼を守ることができたかもしれないが・・・

僕にその勇気もなく・・・

廊下に響く悲しい叫び声が、僕の心に刻み込まれた。

彼との思い出は、たしかに少ない。

でも、まわりの人たちに喜びを与えてくれたし。
長い間自分の体を酷使して働き続けてきたのだと思う。

用が済めばどこかに連れて行かれる。
そして、処分というかたちで世を去るのだ。

サヨナラ・・・

守ってあげられなくてゴメン

卓球台

・・・

作業療法室におかれた古びた卓球台が、「邪魔だ」という理由で持っていかれた。
処分ではなくて、再利用されることを望んでいるが、どうなったかは知らない・・・

卓球台の脚についているコマも油が切れて、凄まじい音を出していたが、叫び声にも聞こえた。

寂しいけど、今までありがとう!

コメント

  1. ま~ より:

    Unknown
    なんとも寂しい限りだね
    邪魔だ・・・
    っていう理由がなんとも・・・

  2. kazz より:

    >ま~さん
    うん
    悲しかった。

    あの音
    耳に残っている・・・

タイトルとURLをコピーしました