ショッカイ

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リハビリテーション病棟に限らず,患者さんの食事の介助って大変でしょう!
姿勢のセッティング,食べこぼしや食べ残しのチェック,誤嚥やムセへの配慮,口腔ケア,配薬や配膳・下膳・・・やる事いっぱい.

しかも,病棟の看護師(助手さんや介護員さんなど)も限られた人数で行なわなければならない.

僕の職場では,セラピスト(理学療法士,作業療法士,言語聴覚士)が食事の現場に入り食事の介助(あるいは,食事動作訓練/指導)を行なう.
といっても,夕食のみで,2名のセラピストが当番制でこれにあたる.

セラピストの入る意義と言えば・・・
患者さんのトランスファー,ポジショニング(姿勢を整える),摂食動作の誘導,誤嚥やムセへの配慮,食事場面における失認へのアプローチ,看護師へのアプローチの指導,・・・これまたやる事いっぱい.ィャやれることいっぱい!

もともとは,看護師さんが「大変」なので「手伝ってほしい」という要望であったことから,セラピストからは不満もある.

「遅くまで残りたくない」
「看護師の手伝いを何で(セラピストの)自分たちが・・・」

といった意見を聞いた事がある・・・

食事介助は「ショッカイ」と呼ばれ,セラピストからは嫌われている事が多い.

僕はと言えば・・・
ショッカイ大好き!

理学療法士として介入して,患者さんからも看護師さんからも喜ばれる.

やりがい有るじゃないっすか!

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今日は「ショッカイ」の日

いつもより早めの17時25分に入院患者さんのセラピーを終えて,17時30分から病棟に出向く.

「ショッカイで~す」

って,出前のように詰所に入ると,トランスファーやポジショニングの必要な患者さんの名前を聞き,その患者さんの病室に行く.

患者さんはたいがいは寝ている.
声かけをして,介助/誘導で車椅子に座ってもらい食堂にお連れする.

食堂には介助や見守りの必要な患者さんが集まる.
(ちなみに,元気な方は自室での食事となる事が多い)

で,再度ポジショニングを行ない,配膳.

看護師さんに,誰の介助を行なえばよいかや注意事項があればチェックする.

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今日の僕がみる患者さんは体格のよいおじいさん.車椅子に座って目を閉じていた.

そこへ看護師さんがやってきた.

「注射器でお願いします」

・・・へ?

何のコトか分からなかった僕に,看護師は続けた

「口が開かないので,注射器で口に入れてあげて下さい」

おじいさんの前にはドロドロの食事が用意れている.
それを注射器で吸い取り,今度はおじいさんの口に注入するらしい・・・

「了解でーす!」

なんて,言えるワケないジャンかっ!
(#゜Д゜)ゴルァ!!

そんなの食事でも何でも無いぃぃぃぃぃゥリリリリリリィィィィィィ!

(ジョジョ ネタ スマソ)

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で,評価.
開口障害があるのかなぁ?

「あぁぁぁんしてみて下さい!」

てったら・・・

( ゜Д゜)アーン

見事に開口!

できるんでね?

で,スプーン(小)で食事に挑戦!
自分ではスプーンの使用が困難なのでこれは僕が手伝う.
ただ,口元を拭くのは自分で出来るので,この動作はおまかせする.


食物の取り込み,咀嚼,嚥下も可能.
(ただし不見性の誤嚥があるかは心配だったが・・・)

超えかけを重ねつつ見事に全量摂取可能!

後半からは,しっかりと目を開けて,皿を指差してくれたり,声かけに頷いてくれたりと反応もよくなった!

所要時間40分,

確かに時間がかかる.こんな時間かかるから,マンパワー的にも「注射器」が必要なのかなぁ・・・?

と,思ったが,カルテには

■注射器使用にて35分で全量摂取

同じ,マンツーマンで35分なら,注射器よりもスプーンで介助がよくね?

スプーンの方が咀嚼・嚥下の反応促しやすと思うし・・・

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おじいさんやおばあさんが無理矢理,口に食事を押し込まれているのって,見ていて腹が立つ.

それ以上に,注射器で注入されるなんて,もっとかわいそうで仕方がない.
本人も望まないだろうや.

注射器を使うなんて荒業は最終手段にしてほしい.
ど~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~してもダメだったら,「注射器」でも仕方がないのかもしれない.

でも,何とかなるんだったら,よそうや・・・

人としておかしいゼ.

担当のセラピストもこの事知っている筈だろうに!

何とかできなかったのか!!!?

看護師も,毎回これを自然に行なっていたのかい?

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こんなアプローチを僕らが行なっているから・・・カルテにはこう書かれてしまうんだ!

■今後PEG(胃ろう増設)予定

口から注射器で注入だから
今度は,お腹に穴をあけてソコから栄養を注入するんだ.

ぼくは,担当者や医者じゃないので,詳しい情報は知らないが・・・

ほんとにソレって必要なわけ?

じいさん今日はスプーンで食べれたんだよ

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参考

介護あれこれ便利帳「食事介助」
amazon「摂食・嚥下リハビリテーション―動画でわかる」
PEGってなに?
よっしーのページ「望ましくない食事介助がおこなわれている?」「その2」

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この記事へのコメント

  1. (:_;)
    悲しくなりました…。食事は楽しみの一つになる方も多いのに…。私もよく食介します。難しいですよね。右からするのか左からするのかから始まり、口に入れる速度(タイミング)も気になります。うちの病院では、時間のかかる方は早ご飯で1時間早くから食べられていました。
    ペースト食もかなり心が痛みますね。魚のペーストなんてかなりきつそうです…。

    私の祖母が今入院しているのですが、リハ病棟へ移ったとたん、調理師が変わった!!美味しくなった!!と言い出しました。食事って回りの環境にも左右されるんだなあと改めて実感しました。

  2. ありがとう
    まずは・・・

    この長文を読んでくれたアキさんありがとう(笑)!

    なんとかしたいと思いつつ,現場の状況(人手が無い)を見ると理想だけ言っていられないのも現実.かと言って割り切れないのも現実・・・

    こんな時にチームでいろいろ話し合って,より良い(まともな)方向にアプローチを進めていけたらなぁ・・・と思う.

    根本的に,食事はおいしく頂いてほしい!

    そうそうっ!

    今日も気になってカルテを見に行ったら,熱発はしていなかった!・・・誤嚥なかったってことだと思う.多分.

    それに,看護師さんもスプーンでの介助に切り替えてくれていた!

    (ただ,やはり全量は難しいみたいで8割摂取・・・)

    一歩前進!

    いろいろ言った甲斐があった!

    週明けからどうなるかな?

  3. Unknown

    食事がとれない患者さん。     看護士いわく認知症だから。。。PEG予定。みたいな。       認知に問題あり、えんげ機能以外で食事がとれない患者さんにたいしショッカイしながら評価してたらナースより「先生暇ですね」の一言。ガックシ  結局環境設定しなおし注意を向けさせることで自力摂取可能となり!バンーザーイ\(^O^)/ と思いきやナースより「ほっといたら一人で食べれるようになったわ」の一言。    足繁くショッカイに通った僕っていったい。。。  まだまだうちではセラピスト=マッサージ師?体操の人?なのですね笑      コツコツやるしかないですね。

  4. orz
    その,患者さんにはめでたしだけど,理学療法士としてはつらいね・・・.

    次につながらないというか・・・

    確かに,

    「セラピスト=マッサージ師?体操の人?」

    って認識がどこかあって,

    「生活」とか「生き方」へのアプローチがアピールし切れてないのも現実ある気がする!

    (実際,マッサージや体操しかしないセラピストもいると思うけど)

    僕の所では,理解してくれる看護師さんが数人(何人?)いるので,その方を便りに進めている(今回の件もそう!)と,ウマく行くケースもあるナ.

    でも!

    「コツコツやるしかないですね。」

    ↑だと思う!

  5. がんばれー!!
    食事介助をさせた張本人でございます。迷惑かけてるねー・・・しかし、口から注射器なんて指示は出したこと無いぞー!!。この人事異動の時期は想像を超えた看護師さんが病棟にやってきます。何故食事介助を始めたのか、何をするべきなのか、なんて最初の理念とか理想はどこかに消え去ってしまいます。ここで踏ん張って、大きな声で意見を言ってください。黙っていることはある意味やらないのと同じように犯罪?!って思います。

    さあ、4月から僕を待ち受けるものはなんなのか?不安と期待とともに頑張っていきますので、そっちもがんばれー!!

    次の日からちゃんとスプーンで食べさせてくれた病棟スタッフにまだ希望の光を感じています。

  6. やったるで!
    >某Dr.

    迷惑なんてトンデモないっ!

    よい経験にさせていただいています!

    やはりADLあってのリハですね!

    その土壌(理念・理想)を作られた先生に感激しています!

    先生の蒔いた種をムダにしないように,コヤシまいたり,水やったりの活動に気を抜かないようにしていきたいと思いますっ!

    ど~か根が枯れないように

    全ては患者さんのためにっ!

    見とってください~!!!!

  7. 感動しました
    とても興味深く読ませていただきました。

    患者さん本人の意志や身体能力よりも、まわりでお世話する人々の都合が優先されて、次第に寝たきりが進行し…

    というような話をどこかで聞いたことがありますが、

    考えてみたら、食事ひとつとってみてもこんなに大事なことなんですね。

    「人としておかしい」、本当にそうだなって思いました。

    患者さんが人間らしく生きていくために、よりいい状態で社会復帰するために、日々真摯に努力なさっている姿。とても心を打たれました。

    事後報告になり申し訳ありませんが(汗)知り合いにもぜひ読んでもらいたくて、当方のブログにこの記事のリンクを張らせていただきました。

    勝手にすみませんが、どうぞご了承くださいませm(__)m

  8. Unknown

    あたしも、ショッカイは嫌いではありません。←好きでもないってこと?
    でも、某先輩PTの影響で、好きになりつつもあります。
    病院に就職して初めて、ショッカイをした時のことを思い出しました。約2年前…。看護師さんたちは、まるで時間に追われたかのように、無理矢理患者さんの口の中に食事を詰め込んで、全量摂取!と満足気にしておられました。すごく違和感を覚えました。でも、経験を重ねる毎にだんだんその違和感が薄れてきたような気がします…。ポジショニングや誤えんに対する配慮はしているつもりだし、さすがに無理矢理詰め込むようなことはしませんけど…。
    もしもその注射器事件の患者さんが自分の担当だったら…。もしくは食事場面を見かけたら…。あたしはkazzさんのように意見を言い、看護師さんの認識、行動を変え、一人の患者さんのQOLを救うことができたのだろうか…。正直、不安です(。・_・。)
    某Drの言われるように、『黙っていることはある意味やらないのと同じ犯罪!?』
    まさにそうかもしれません。誰かが気づいてあげないと…可能性をつぶしてしまうし、もしかしたら食事ひとつで人生が変わるかもしれない!
    大切なことに気付かせていただきありがとうございました

  9. >リハ子さん
    無理矢理全量摂取・・・

    絶対美味しくないよね!

    以前,療養型の病院に勤めていた時に,介護員さんがボソって言っていたのを思い出す・・・

    「看護師さんが申し送りで,『全部食べました』って言っているけど,あれって,『全部無理矢理たべさせました』だよね・・・」

    現場では,「じゃぁ,どうすればいいのさ」って議論が巻き起こりさえすれば,それでいいと思う.第一歩として.

    ただ,現状に疑問を持たなくなり,”業務的”になってきたら・・・苦しい結果.

    そのくせ,じいさん・ばぁさんに無理矢理「○○様」って声かけして,それをサービスだと勘違いしている連中もいる・・・

    ひとりひとりを大切にせずにデータだけを集めて,学会発表でもっともらしく

    発表し,それを医療・介護の発展だと勘違いしている連中もいる・・・

    患者さんは生ける屍のような生活を送って,医療/介護を行なうスタッフはそれに何の感情も持たなくなる.

    目の前に広がる地獄・・・

    『黙っていることはある意味やらないのと同じ犯罪!?』

    そのとおりだ.

    言える事は言って,やれる事から少しずつやっていこう.

  10. >ゆうきさん
    応援ありがとうございます!

    そうなんです・・・

    「まわりでお世話する人々の都合が優先されて」

    てことは,(残念ながら)よくあります.

    「この患者さん,何のために入院しているんだろう・・・」と思う事もシバシバです.

    夜の徘徊を無くすために,睡眠導入剤を使用され,結果,一日中グデグデ(半覚醒/半睡眠)状態で,薬のコントロールも今イチされない・・・なんて事もある!

    「この患者さん,何のために入院しているんだろう・・・」

    超高齢で,先も長くない(←失礼!)だろうオバァちゃんに,マーゲンチューブ(鼻のチューブ)を抜くという理由で,身体拘束をしている.しかも,拘束したらしたっぱなしで,どうしたらチューブを抜かなくなるかという検討もなされずに日々過ごす・・・なんて事もある!

    「この患者さん,何のために入院しているんだろう・・・」

    「この患者さんたちって,人生の最期にあたる時期これでよかったのかなぁ?」

    て,思う.

    しかし,こちらの中途半端な”思い”によって,逆に危険性が増す事もあるので,説得力を持ったアプローチが行なえたり発言できたりの能力って必要だなぁ...

    リンクの件ありがとうございます!

    バシバシ貼ってもらってかまいません.

    ありがとうございました!

  11. Unknown
    kazzさん、リンクの件ありがとうございます!

    こう見えても小心者なので、安心しました(^^)v

    夜の徘徊を無くすために薬漬けのような状態に置かれている…。

    入院にもいろいろな理由や状況があるのですね。想像以上に現実はすさまじい…。

    チューブとか身体中にいろんなものをくっつけられ、身体拘束されてる姿も想像してみるのだけど、

    そういうとき思うのは、人間としての尊厳は? ってこと。

    でも、一方では、患者さんの身の安全を守らなきゃいけないっていう現実的な理由もあるのですよね。

    「人生の最期にあたる時期をどう過ごすのか」

    自分だったらどうしたいのか?

    家族がそういう状況になったらどうしてあげたいのか?

    そんなことも考えさせられました。

    …とてもいいブログに出会えてうれしいです(^^)v

    また遊びに寄らせてもらいますね♪

  12. その後ですが
    気になっていた,患者さんの食事介助に入りました.

    そしたら,看護師さんが近づいてきて

    「先生.この患者さんの介助はスプーンで促しをして下さい」

    って,言われました.

    この看護師さんはいままでのいきさつを知らなかったんだろう

    『僕がその提案をした張本人だってばさっ!』

    と思いつつも,うれしさに

    「はいっ!」

    って返事しました!

    チョット前には

    「注射器でお願いします」

    と平気で言っていたのが,ここまで変化するものかと思って

    つくづく

    よかったな~!!

    みなさん!

    コメントありがとうございました!

    これからもよろしく御願いします!

  13. さらにっ!
    昨日の朝,看護師さんに話を聞いたら.

    「PEG中止になりました」

    だって!!

    看護師長さん曰く

    「口から食べれるようになったので」

    とのこと!!

    よかったよかった.

    (といいつつ,気は抜けないけど・・・)

  14. パチパチパチ!!
    PEG中止ですか!!

    やったー!!

    そんな小さな事の積み重ねをみんなの経験値として積み上げることが出来れば良い病棟になっていけるはずです。

    そういうことを考えながら新しい職場でもやっていこうかと・・・

  15. >某Dr
    「関わる事で,何か変えることが出来た」

    って実感があります!

    先生の新しい職場の発展を願っています!

    コチラも負けぬように頑張ります!

  16. ショッカイ

    今日はショッカイデー!
    食事介助の日!
    (詳しくはコチラ参照)
    17:40~18:35
    最近は介助の必用な患者さんが多いらしく、病棟の看護師さんも大変らしい・・・
    (現場の人ならわかるはず!)
    そんな中での患者さんの食堂への移動や、摂食動作の誘導はセラピストにと…

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