病棟のエレベータ前
認知症の患者さんが家に帰りたがっている.
看護師さんは,必死でエレベータに乗ろうとする患者さんを引き止めていた.
患者さんは激怒し腕を奮って看護師さんを引き離そうとしている.
(#゜Д゜)ナンデダー !!
↑患者さん
となってて
二人とも顔を真っ赤にしている.
さて・・・
認知症の患者さんに対する接し方って難しい.
が,コツもあると思う.
認知症の方の場合,多くは
■具体的な出来事はすぐ忘れてしまう
■感情面の記憶は残る
ということがみられる(もちろん,ひとまとめには言えないだろうが).
この患者さんの場合
自分が何故,引き止められているのか論理的に分からないだろうし,引き止められたことによる不快感や怒った感情は後に尾を引くことになると思う.
エレベータ前にいる看護師さんは,今にも殴られそうになっていた.
ウマく行くかどうか,分からなかったけど
「ちょっと僕にまかせてみて」
って言ってその看護師さんとタッチ交代.
「エレベータに乗ってしまえばいいじゃん!」
看護師さんは,
「大丈夫~?帰ってこられる~?」
と不安そうにしていた.
ヒョロヒョロの僕が,暴れている患者さんを連れ行って収拾がつかなくなると思ったのだと思うが・・・
さきほどの
■具体的な出来事はすぐ忘れてしまう
■感情面の記憶は残る
を有効利用できれば・・・!
エレベータに乗っているうちに,患者さんはお出かけ気分.
(実はコッソリ,玄関方向ではなく上の階に行くエレベータに乗った)
昔の仕事の話もしてくれたし,道路が不便な地域社会状況を憂えていると言う内容もしてくれた.
※しかも,この話題は病院の仮設渡り廊下が使用しにくいという話からの発展だったので,核心(笑)!!
で!
「外に行くなら,病衣だと警備員さんに引き止められますよぉ」
「そーかぁー」
ということで,お部屋に帰ることに.
で,部屋に帰ってベッッドに座ったところで
「今日はありがとうございました!」
って言ったら
「おぉ~う.じゃ,また」
と言って,手渡した新聞を読んでおられた.
どう?
ウマくいったでしょ~(冷汗フゥ)
また少ししたら,帰りたくなるのだろうけど,怒りは沈めれたと思う.
少なくとも,エレベータ前で看護師さんに手を挙げていた状態よりは改善していると思う.
看護師さんは
「患者さんに一緒についてあげられる時間がない」
といっておられたが・・・
エレベータ前で格闘していた時間もある上に,患者さんを逆上させているだけだから時間のロスは一緒どころか無駄が多いと思うのよね.
だったら,話でも聞いてついていってあげた方がいいと思うのよね.
「患者さんに逃口を教えてしまうことになるので,危険」
という人もいるかもしれないが,病院は監禁する所じゃないしね.
ある程度,動いたら満足してくれて,患者さんのイライラも減って出歩かないと思うんだけどなぁ・・・(←エビデンス無し)
ま,何にせよ
患者さんを怒らせてまで,引き止めてもいいコトないと思った.
一つ気になること・・・
ナースを見ると,条件反射のようにイラついておられた.
コメント
看護士さんって
看護士さんって。。。ですよね。 教育過程がセラピストと違うのもあるのかもしれないけど「想い」が優先し、「理屈・理論」が蔑ろにしてる人多い気がするのは僕だけでしょうか。 看護士のEBMのEは「emotion」「experience」。。。だったりするそうです。
士→師
実際、看護師さんも大変だろうね・・・
患者さんに連れそっていても、「勝手な行動は取るな」とか、「責任摂れない行動は取るな」とか、「持ち場を離れるな」とか言われるのかもしれないし・・・。
「emotion」「experience」も大事だと思うよ。
ただ、「理屈・理論」がそれらを補強してくれて、より判断のある行動に移しやすいと思う。
でも、今回は(もしかすると)、理論なしに付き添うだけで解決出来たことではないかとも思う。
あるいは、ずっと解決できないのだろうか?
徘徊、不穏や異常行動・・・いろいろあるからなぁ