早朝、駅のホーム
6時半
あたりは霧に覆われて、向こうに見えるはずの電灯の灯りさえ、僕のところに届かない・・・
右を見ても、左を見ても短い線路が白い霧の中に吸い込まれていくだけで、僕は下をうつむくしかなった。
此処に来るのはいつもの列車。
それは分かっているけれど、いつやってくるのか見当がつかない・・・
列車は霧のため遅れていた。
音も聞こえない。
どこかに汽車はいて、確実にこちらに向かっている。
確実に
だけど
それすら不安になるくらいに霧は深くて
探れば探るほど霧はどんどん深くなるようだ。
迷走するわけではなくて、汽車は確実に一直線にこちらに向かっている。
線路があるからだ。
そんなことを、心で確認しながら、
ヒトリ
駅のホームにたたずんだ。
コメント