今日は、理学療法士・作業療法士国家試験の合格発表日!
ウチの職場にも、5人の新人が入り、本日も新人研修を受けている。
そのうち4人が新卒なので、彼らの合否を確認しなければならない。
発表は2時からで
ネットで合格者の受験番号一覧が発表される仕組みになっている。
僕は、確認大将を命ぜられ、パソコンに向かっていた。
さすがに2時直後は、アクセスが集中したせいか、なかなかつながらなかったが、10分もすればアクセス可能となった。
が、
国家試験合格率に愕然・・・
理学療法士74.3%(7,736/10,416) 作業療法士71.0%(4,116/5,794)
例年の合格率は、90%以上なのだ。
70%台なんてのは、低すぎる!
出題者や出題傾向が変わったため、かなり苦戦を強いられたという話は聞いていたが、この結果は酷い。
合格者に対するお祝いや、不合格者に対する労いよりも、このパーセンテージの低さに言葉を失ってしまった。
みると、合否基準は点数でスッパリと切ってある。
総得点で167点以上(277点満点)、実地問題43点以上(120点満点)
合格者の人数調整に難しい問題が出題されたというのは考えにくいと思う。
以前も、出題傾向が変わり、合格率が落ちた時代があったが・・・。
もう一つのショッキングなことは、ウチに採用された新人のうち一人が、不合格であったこと・・・。
不合格者は、つぶさに採用取り消し(=クビ)になる。
施設によっては、不合格であっても1年間助手として働くことを許可し、次の受験に合格したら本採用というところもあると思うが、この苦しい状況下では少ないだろう。
不合格の彼は、数日の付き合いながらも礼儀正しく、今日も、深々と頭を下げ「ご迷惑をおかけしました」と挨拶し帰っていった。
是非とも、また来年内を受けてもらいたいと思った。
非常に、残念。
だが、仕方ないことだ。
この度の国家試験の結果は今までとは質を異にするものだ。
学校や受験生のショックも大きいと思うが、採用を考えていた(そして、不合格のため採用取り消しを行わざるを得なかった)施設にとって、影響は大きいと思う。
今後の考え方も改めねばならないと思う。
・・・つまり、明らかに合格しそうな人や、経験者を採用の基準にするような方向に考えを改めると思う。
理学療法士(作業療法)協会や学校の対応はどうなるだろうか?
あるいは、県士会レベルではどう動くだろうか?
気になるところだ。
合格率だけでは、実態が把握できないので、受験者数と合格率をグラフ化したものをつくってみた。
※画像クリックで拡大
来年度の動向がいまから気になる。
厳しいことには変わりない。
参考
KAZZ BLOG「国家試験」関連の記事
KAZZ BLOG「リハビリ」関連の記事
KAZZ BLOG「リハビリ」関連の記事
厚生労働省:第46回理学療法士・作業療法士国家試験の合格発表について
コメント
衝撃でした。
正直、近い将来には70%はとは思っていたんですが、流石に今年来たのにはビックリでした。ただ、個人的にはPTの充足感は否めず、学校の乱立により、ここ10年で卒業生も激増し、以前の質を保とうと考えたときには50%も十分あり得ると考えていました。50%でも10年前より合格者数は多いですもんね。
患者さんへの事を考えると質の確保は必ず必要です。ですが、現在の学校ではそれがかなっているとは到底言えません。この国家試験だけで判断するのもいかがな物かとは思いますが、歯止めをかけることにはなると思います。今こそ、協会や学校は国家試験を非難する事ではなく、理学療法の将来を真剣に考える時ではないでしょうか!?個人的には、理学療法士として今後続けていくか考えているときでしたので、この合格率がリハビリにプラスに働いてくれればと期待しているところです。
Unknown
国家試験という紙切れ一枚でなにがわかるのか不思議です。実際に働いて見て評価するべきだと思います。私の施設では、働きぶりによっては、試験落ちても助手として働いてもらいます。
re:衝撃でした。
>ゴンゾウさん
本当に衝撃ですよね、この合格率。
僕も、この状況をプラスに考えて行くことが必要だと思っています。
現役理学療法士も、学生も、養成校も気合いが入ったと思います。
また、基準が不適切だという話もききません。
真剣に考えていきたいですね。
>むにさん
お気持ちはよくわかりますが、やはり「実際に働いて見て評価する」というのは、難しい状況です。
国家試験合格という条件は、最低限の基準として設けてあると思います。この基準は、人間性を判断するためのものではなくて、いま目の前の患者さんに利するための基準なのだと思います。
また、実際に働いてみてもらって、ダメだったらクビというのも、それはそれで辛い気がします『仕事内容だけで何が分かるのか』とか言われても困りますし。
ただ、国家試験落第者を、どうサポートしていくかというのは、学校のみならず、地域の病院も考えていくべきことなのかもしれませんね・・・。