三十を超えることなく上部構造へと旅立った朋友の誕生日。
彼の写真とグラスも用意し
昔話とともに乾杯!
そうだな・・・
彼との思い出で印象に残るものは幾つかあるけども、フランツ・カフカの小説「変身」についての彼の捉え方が面白かったな。
変身 (新潮文庫) | |
クリエーター情報なし | |
新潮社 |
不思議な虫と化したグレゴール・ザムザに致命傷を与えたのは、林檎(リンゴ)。
彼はそのことに着目していた。
どこにでもありふれたものとしての林檎
ともすると、智慧の実であったり、甘い果実の象徴として扱われる林檎
その林檎が身近な人の手から放たれて、ザムザに致命傷を与えたということ。
それが彼の心には深く印象を残していたらしい。
そう言っていた彼のことをよく思い出す。
はじめ彼の話を聞いた時には、そんなもんだなと、特に衝撃を感じなかったんだけども、そのうちジワジワと、なんだかそれがとても重要なことに思えるようになった。
彼がいなくなってからはなおさらだ。
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