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包帯

理学療法/病院

『看護師さんも感心しておられましたよ~』

と、おばあちゃんは僕の手技を褒めてくれた。

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骨折で入院されているおばぁちゃんの膝下には包帯が巻かれている。
血栓予防のための弾性包帯だ。

その包帯の巻き方について、褒めてくれているのだ。

足先から膝下にかけて、グルグルと巻いていく。

たしかに、ある程度のコツが必要だ。

圧力を一定にして巻き挙げることや、しわが寄らないことなど。

そして、僕は見た目を気にしている。

見た目が奇麗なものは、たいがいうまくいっている筈だ。

逆にうまくいっていない包帯の巻き方は、不細工だ。
不細工な包帯の巻き方は、圧も不均等で、シワが寄ってしまっている。
仕舞には、ずれて巻上ったて団子になっている場合もある。

看護師さんの巻き方も十人十色で
しばしば、ワケの分からない包帯の巻き方をしていることがある。

これではまるで、「ただ装着しただけ」という状態になっている場合もある。
短時間後にはルーズソックスのようになってしまっている例も少なくはない。

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これは、包帯を巻く技術がないのではないと思っている。

はっきり言うと、無いのは『技術』ではなくて、『心』なんだと思う。

大事に大事に巻いた包帯が、あんなにも不細工にはならない筈だからだ。

また、しっかりと目的を持って行えば、変な具合にならないだろう。

ダメな仕上がりを見るとよくわかる。
まさに、「包帯を巻いた」というだけで、もはや「血栓を予防したい」というような目的はどこかにすっとんでいるようである。

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「やっぱり、専門の人は違うね~」

僕の包帯巻きの仕上がり具合を見て、看護師さんはそう言ったらしい。

そういことを、おばあちゃんから聞いた。

しかし、そんな筈は無い。

たしかに、一生懸命巻いた包帯の仕上がり具合を褒められるのは嬉しいが、
僕がやる程度は誰でもできることだと思っている。

僕の手の器用さや手技が「専門」といわれるほどかけ離れているわけでもない。
たしかに、「ひと味違う」技術を、専門家として目指すべきだとは思うが、この度はそれ以前の問題のところだ。

ちなみに、丁寧に巻いたからといって、時間がそこまでかかるわけでもないと思う(ぐちゃぐちゃに巻いたことが無いので分からないが・・・)。

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そう思うと、さまざまな手技においてそうだと思う。

注射の打ち方。
いや、「打つ」に至るまでの行程もそうだろう。

医療者側の行為は幅広い。

患者さんの体位を換えるための手伝い。
環境の整備。
日頃の会話。訓練。
配膳、食事。

日々のそれぞれの心使い、気遣いが、それぞれの技術を豊かにしていくのだと思う。

逆に

そういったことに、まるで目を向けないのであれば、いつまで経ったも同じなんだと思う。

自戒も含めて
丁寧な仕事をしていきたいと思う。

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参考

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