ウチのリハビリ科で乳癌術後のリンパ浮腫治療にかかわる女子セラピストがいる。
その子に論文を紹介した。
JAMA(December 22/29, 2010, Vol 304, No. 24)の論文なのだけど
『Weight Lifting for Women at Risk for Breast Cancer–Related Lymphedema』
(乳癌関連のリンパ浮腫発生リスクがある女性に対するウェイトリフティング)
(※全文はコチラ参照)
というものだ。
当初、Conclusion(結論)を読んで不思議だったのだ。
『In breast cancer survivors at risk for lymphedema, a program of slowly progressive weight lifting compared with no exercise did not result in increased incidence of lymphedema.』
・乳癌術後のリンパ浮腫発症リスクのある方に対して
・ゆっくりと段階的に行うウエイトリフティングのプログラムは
・運動を行わない群に比べて
・リンパ浮腫の発症を増やすわけではない。
そういうことだった。
介入系の論文でよく読むのは、これやったら良かった(悪かった)といった結果をあらわすものが多いのだけども、今回の論文は、「これやっても、発症は増えなかったよ」というものだ。
つまり「やっても大丈夫だよ」というメッセージ。
ウチのリンパ浮腫治療にかかわる女子セラピストに聞いてみたら、やはり、上肢の積極的な運動は避けるように指導しているとのこと。
でも、今回の論文は
「やってもいいんですよ」という。
こういった発表(論文)は、非常に重要だと思う。
病気や何かで、自身の活動が制限されることって、辛いことだろうから・・・。
今回の場合、フィットネスに通いたい女性(乳がん手術経験者)には朗報となることだろう。
「いいんですよ」とか「だいじょうぶですよ」っていうコトバは大事なことだろうな。
参考
JAMA
JAMA「Weight Lifting for Women at Risk for Breast Cancer–Related Lymphedema」2010;304(24):2699-2705
KAZZ BLOG「指し示す」(2010年02月03日)
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