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イエノミ

理学療法/病院

後輩君からラーメンに誘われた。

後輩君は明日休暇ということで、パ~と息抜きしたいのだろう。
(僕は出勤なのだけども)

といっても、後輩君の「ラーメン行きますか?」は、『食べに行きましょう』と同義なので、その後も「トンカツ行こうか」「中華いこうか」「寿司いこうか」とさまざまな案を出さねばならぬ。

んで、結局、

「家飲みでもよいです」

ということになった。

彼は、僕と違い自炊ができるので、僕に何かをごちそうしてくれるとのこと。
まぁ、自炊云々にかかわらず、何か買って行ってもよいのだ。酒さえ飲めれば。

んで、

「ゆこう」
「ゆこう」
そういうことになった。

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後輩君の家に到着したのは
月も奇麗な21時半あたりである。

向かう途中に、スーパーに寄って酒を買った。
出雲のもので、1000円くらいのもの。
二人で飲むには丁度よい。

んで、買い物終了した僕と違い、後輩君はあれこれと食材品を見定めていた。

僕は、『魚でも焼いてチビチビ呑もう』と提案したのだが、後輩君は一人暮らしスピリットが燃えているのか、何かを作ってくれるらしかった。

秋刀魚があればよかったのだが、売り切れらしく『ノドグロ』を買ってみた。
あとで気づいたのだが、『刺身・煮付け用』と記されていた。

普段、食材を意識して買うことがないので知らないが、食べ方まで指定されるのだから、魚も甲乙さまざまあるのだろうね。

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さて、
後輩君のキッチンにて、男二人立ち尽くす。

後輩君はさまざま料理できるものの、魚はさばいたことが無いということ。

『焼けばいいのだ』

といっても、ウロコを落とすだの、腸(はらわた)がどうだのと言い出す。

したことはないが、見本を見せてあげた。
腹を切って出せば腸は出るし、包丁でこすればウロコはとれる。
おそらくそれでいいのだろう。

腸を出す時に、ノドグロのヒレ骨にさされたが、先輩である手前、涼しい顔をしておいた。

塩揉みして火にかけた。

焼き魚に失敗もクソも無かろうと思っていたが、もし失敗したらどうするかと後輩君に尋ねたら

「次回に活かしましょう」

と答えがかえってきた。

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んで、魚を火にかけている間に後輩君が用意してくれたのは、チーズオムレツと焼そばだった。

くどいようだが、気分的には魚と酒で充分であった。

がしかし
チーズオムレツは酒にもよくあったし、

焼そばは腹を満たしてくれた。

果たして、焼き魚の登場である。

詳しく言えば、『刺身・煮付け用ノドグロ焼き』である。

やはり塩だけで十分美味い!
塩がなくとも美味いが、酒を飲むのに塩がよい。

しかし、
後輩君の家には味塩しかなかったので、風情が無い。

まぁ、アパートからは月もみえぬし、ちょうどよかろう。

最終列車に間に合うように、タップリ本やら何やらの話をして、しっかり酔った。

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列車にほろほろとゆられていると一通のメールが来た。

『次は煮付けを勉強しときます。いつでも遊びにきてやってください。』

とのことだ。

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参考

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