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教育現場

理学療法士の学生がやって来て、6週間が過ぎた今日、無事に(?)実習が終了した。

実習生も大変だったと思うが、指導者も大変だったと思う。

学生さんは、今回の実習を終えて、あと6週間を別の病院で実習を行うこととなる。
そして、その後に、国家試験を受験して卒業を迎えてからプロとなる。

そう思うと、今回の実習指導が果たして十分であったか・・・
不安に思う・・・

今回の学生さんは1期生。
つまり、その学校ができて初めての学生さんになる。

一期生というのは大変だと思う。
先輩達がいない中、自分たちの創造で学習を行い、十分な準備というものが何なのか分からないまま学習をする。

教師陣がいたとしても
まさに暗中模索・・・

しかし、それを差し引いて考えていいものだろうか?

否。

来年には患者さんに接するプロの専門職となるのだから、バックグラウンドによる不備は許されないと思う。
患者さんの多くは、高齢者であったり、年齢的にも先輩であることが多い。
そんな方達が敬語を用いて、時には「先生」という呼称で我々に接してくれる。

専門家としての不備をあまんじて許すくらいであれば、専門職である必要は無いし、国家資格も返上すればよい。

厳しいことを言うようだが(そして、自分を棚に上げているような気もするが(^_^;)アセ)、日本の理学療法士は緩やかな死に向かっているような気がする。

乱立する学校数に比例した定員割れの状況。
そして、それに伴う無節操な入学者の募集。
明らかに経験年数の少ない教師陣の配置。
国家資格取得と就職先の斡旋が目的と化した教育。
ほとんど放置と化した実習プログラム。

(もちろんこういったことばっかりではないのだけども・・・)

そして

『実際は、資格を取得してから』

これは、確かにそうだと思える。
資格を取得し、現場に出てから覚えることは膨大だ。

だが反面、
ある一定のモラルをこえたら、死を招く思想だと思う。

では、教育現場は問わなければならない。

定員割れの原因分析は妥当か?
国家資格取得や就職先の斡旋が目的になってはいないか?
資質の教育を行っているか?
ヒューマニズムを教えているか?

なによりも
患者さんを大事に思っているか?
そのための努力をいとわないか?

学生は昨日の睡眠不足を不満に言ったり自慢するようなことがあってはならない。

患者さんは、眠れているだろうか?
患者さんは不安にかられて、涙を流しちゃいないか?
患者さんは食事が喉を通っているだろうか?
・・・

自分だけが、苦労をしたフリをしてはならない。

専門職に必要な「覚悟」を教育現場は指導しなければならない。

・・・と思う。

ついでに、ふと鳥取/島根の専門学校の理念を調べてみた。

YMCA米子医療福祉専門学校
『学生の笑顔と学ぶ熱意に真の医療福祉を育む環境』
YMCAの「愛と奉仕」の精神に基づき、豊かな人間性と実践能力のある国際性豊かな医療福祉の専門技術者の育成に尽力します。

松江総合医療専門学校
『信頼を育む、技術を磨く』

リハビリテーションカレッジ島根
『専門職として医療・保健・福祉の実践にふさわしい知識、技術及び倫理を修得し、あわせて科学的思考力と創造性に富む人材を育成する』

島根リハビリテーション学院
『島根リハビリテーション学院は、教育基本法の精神及び学校教育法第八十二条の二の趣旨に則り、国際的視野に立った豊かな教養と高い倫理観を備え、かつ、科学的探究心に富む人材の養成と理学療法学及び作業療法学の向上を目的として教育及び研究を行うとともに、その成果をもって地域社会の発展に寄与し、人類の福祉に貢献することを基本理念とする。』

コメント

  1. みーご より:

    ためになります。
    こんばんは。

    ずいぶん前に、勝手にコメントさせていただいて、時々、ブログをみています。ベテランPTさんの意見を知ることができて、ためになってます。kazzさんは、病院とは関係ないことも考えかたが、面白いですね。

    私は、31歳の、OTの学生の3年生(夜学)で、今年、評価実習と、来年、臨床実習があるので、実習に対して不安がいっぱいです。
    私の学校も新設校なので、
    KAZZさんが書いたとおり、
    ・乱立する学校数に比例した定員割れの状況。
    ・そして、それに伴う無節操な入学者の募集。
    ・明らかに経験年数の少ない教師陣の配置。
    ・国家資格取得と就職先の斡旋が目的と化した教育。
    これ、すごく感じます。(そんな中、新設校を選んだのは自分なんですけどね。)

    学生の中には、びっくりするような失礼な発言を平気で口にする人もいます。
    あと、わからない事を、『調べてもよくわかんない。ま、いっか。』とそのままにしてしまうとか。そのままの状態で、先生のフィードバックがない・・とか。
    セラピストになって、患者さんの人生の一部に関わるのに、ちゃんと理解しないで接するのは、不安だし、患者さんに対して失礼なのでは。と、学生ながら、感じます。(介護職として働いていたので、セラピストは、すごい知識のある人だ!!と、思っていたので・・こんな考えになっているのもありますが・・)
    医療職としてのヒューマニズムというか、やさしさというか、そういうところも教育なのではないかと思います。それとも、個人の考え方の問題なのですかね。

    私も含めて、実習で、気づくことが出来て、沢山学んでから、OTになれたらなと思ってます。

    遅い時間に、長いコメントすいません。

  2. kazz より:

    >みーごさん
    こんにちは!

    コメント有り難うございます!

    ベテランPTさん・・・の自覚が無かったですが、確実に11年目になっていました(爆)!

    志は、イケイケの若手なんですが・・・
    (^_^;)アセ

    みーごさんは学生さんなんですね。
    実習の不安はかなりのものと思います。
    実際、実習中も大変だと思いますし。

    かくいう僕も新設校に入学した2期生なんです。
    僕の場合は1期生の失敗(?)が生かされましたから、そういった、「ここは気をつけろ!」「こうした方がいいぞ!」的な指導がしっかりあったように思えます。
    先輩達に感謝です。

    ヘンテコな学生さんも確かに多いと思います。

    それを教育でもってしっかりと指導されれば問題ないと思うのですが、放置になっている場合もあると思います。
    ある程度、点を取れば進級・卒業・国家試験取得ができてしまうんですから、教育現場ではしっかりと、彼らを見ておく必要があると思います。

    臨床の人間から言わせてもらいますと、学生さん達にみっちりと指導するには骨が折れます。
    教育のプロでもなんでもありませんから。
    しかも
    理学療法を学ぶ以前の所から指導する必要のある学生さんもいますし・・・

    ・・・なんて書いていると、自分自身が学生だったころ、周囲に多大に迷惑をかけていたんだろうなぁ・・・と思います。

    感謝ですね。

    では、
    みーごさんも頑張ってください!
    学生時代の感性が後の臨床に多いに役立つと思います。

  3. みーご より:

    >KAZZさんへ
    ありがとうございました。

    学校にかぎらずいろんな人がいる世の中ですもんね。教育の場や実習の場で、といっても限界がありますよね。
    なんて、そんな私も、まわりに助けられて、勉強してきている学生なので、言える立場じゃないんですけどね。

    実習に行く方もとても大変ですけど、受け入れる方もとても大変ですね。

    実習、不安もありますが、同じくらい、楽しみな気持ちもあります。頑張りまーす(^^)

    また、ブログを見て、勝手にコメントしますね。

  4. まいける より:

    Unknown
    理学療法師の学生は実習期間がものすごく長いんですね。
    ご指導お疲れ様でした。
    きっと学生の方は、kazzさんからたくさんのことを学んだと思いますよ!

  5. kazz より:

    >みーごさん
    実習に行く前は「○週間もか~長いな~」なんて思ったりしましたが、終わる段階になったら、「もっと実習していたいなぁ」なんて思ったりしたものです(とはいえど、学習不足に起因した「実習延長」は嫌でしたけど・・・)。

    しっかりと準備をして、楽しめる実習がむかえられるといいですね!

    頑張ってください!

    困ったことがあれば、ネット上で相談に乗りますよ!

  6. kazz より:

    >まいけるさん
    実際に患者さんに触れさせていただいて、学び取ることが多いんですよ。
    難しいところですが、学校で習った学習と技術とを、実践でいかに応用するかといったところは、6週間などではまだまだ短いとも感じます。

    最近は、カリキュラムからどんどん実習時間が削られてきているように感じます。

    学生さんが多くのことを学べるように、こちらの指導者としてのスキルも磨かなければいけません!
    日々精進!

  7. みーご より:

    >KAZZさんへ
    ありがとうございます。

    今もそうですが、勉強やレポートの合間に息抜きでネットをして、ブログをみてます。

    なにかあったら、コメントしまーす。

    お仕事頑張ってください。

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