急性期病院だから・・・という理由は通用しないけど、
ウチの作業療法士は、あんまりADL(日常生活動作)をみていないと思う。
運動機能(腕が動くとか、バランスがどうとか)・・・そういうことには重点をおいているけども、「どう生活するか?」とうところは突っ込んでアプローチしていないような気がする。
僕が、重視したいのは『今日のADL』
ADLとは、毎日繰り返される生活に必要な動作のことなので『今日のADL』とは、いささかおかしな語になるけど、この
『今日のADL』という語は気に入っている。
例えば、リハビリ室で歩くようになるための練習をする。
しかし、患者さんは部屋に帰れば歩けない。
歩くということは、そもそも「移動」のためだ。
患者さんはまだ歩けないので移動ができない。
では、「移動」を可能にする「車椅子駆動」という方法もある。
けどリハビリでは、「車椅子駆動」ではなく、ひたすら「歩く」ことを練習されるので、いっこうに「移動」の能力は獲得できない。
今日は移動できない・・・なんてことになる。
『今日のADL』
たしかに、リハビリの場面では将来に向かって、運動機能の獲得(/回復)を目指したりする。
でも今日(今晩)、どうやって移動するのか?
でも今日(今晩)、どうやって食事するのか?
でも今日(今晩)、どうやって排泄するのか?
でも今日(今晩)、どうやって更衣するのか?
でも今日(今晩)、どうやって○○するのか?
そういうところにも回答を与えなければならないと思うんだな。
そんななか・・・
作業療法士からメールが来た。
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できました
既製品に比べたら少し動きは劣りますが
また見てください
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ちょっと嬉しかったね!
こういったこと(工夫)を、ウチの作業療法士はナカナカしないと思っていたから・・・
この道具は、片手で爪切りができるという自助具だ。
自助具(ジジョグ)とは、行為を便利にするための道具だ。
片側の腕が麻痺している場合、いい方の手で、悪い方の手の爪を切ることはできる。
ただ、いい方の手は・・・麻痺した手では爪切りはできない。
んで、いい方の手で爪切りを行うことのできる道具なのだ。
(台の上にいい方の手を置いて、爪を爪切りの歯の間にセットし、手を下に押し付けると爪が切れる。・・・コチラ参照)
ま、普通の作業療法士の思考としたら、なんとも無いアイデアだ。
てか、先人達(先輩セラピスト)は、結構こういう道具の工夫を編み出してこられたと思う。
最近の僕らはそんな努力をせずに、既製品をすすめたりする。
・・・実は、この爪切りを既製品で買うと4千円くらいする。
めまいがするよね。
爪切りに4千円って・・・
なので、この作業療法士に、
「作ッテヨホ~~~~~~ゥ」
と、泣いて頼んでたのだ(←ウソ)!
見事に作ってくれたぜ!
はやく実物見たいなぁ
患者さん、喜ぶかなぁ~!
楽しみ~!!!
(僕が作ったわけではないけど)
コメント
Unknown
このタイプの爪切りで気をつけることは、下に押し付けたときにズレルということです。ふか爪に注意なのです。
使い方のコツが教えてあげられようになるといいですね。
re:Unknown (クロ)
こんにちは!
コメント&アドバイスありがとうございます!
一度、既製品を使っていただき、動作はうまい具合にいっています。患者さんも気に入っておられてましたので、動作については大丈夫かと思います!
それで、既製品の購入を・・・と言う段階で、4シェンエン!
これが厳しかったのです(;_;)。
なにか、良い者があったら、紹介御願いします!
はずかしながら、まったく疎いもので
創意工夫
確かに昔は作ってましたねぇ~。
自助具、シャワー椅子、移乗台。
でも最近PL法がうるさいんです。
事故したときの責任問題?
それです。
3ヶ月ぐらい前にある家に訪問したとき、私が6年ぐらい前に作った一般ベッド用の立ち上がり補助手摺りが今だに健在!でした。
その頃は今、使用しておられる方の奥様にお作りしたものでしが…。
ある意味、感動。
ちなみに、現在は同様の商品がレンタル品として発売されてます。
そういう、感動はこれからはあまり無いかもしれませんねぇ。
re:創意工夫 (p)
ほんとに、昔の人(っていったら失礼か)は創意工夫されていたんですよね~!
ため息出るようなすてきな(便利な)道具を作っておられますよ!
PL法かぁ
業者さんは特に大変ですね~!
(↑なぜか他人事)
6年間も健在の道具ってすごいですね!
このままいっそ孫の代まで(笑)!