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アマノガワ

お年になると,体のいろんなところが不調を来す.

なので,高齢の夫婦で入院・・・てこともある.

うちの病院は,目下,新病院の現地建て替えで大変なことになっているが,しばらくは今の建物でやっていくしかない.

■「新館」(←築20年)

■「本館」(←築40年)

の2棟そして,その棟をつなぐ50m程度の

■渡り廊下

何年経っても「新館」は「新館」と呼ばれ,「本館」は「旧館」と呼ばれることはない・・・

僕の担当させていただいている患者さんは夫婦で入院しておられる.

ところが,二人は「新館」と「本館」に引き裂かれて入院されている.
病気が違うから入る病棟も違うんだ.
申し訳ないがしかたない・・・

「新館」と「本館」に引き離された恋人どうし.
(て,夫婦だが・・・)

二人が出会うには,長い長い渡り廊下をこさなければならない.

お互いの体力では,
もうそれができなくて,
二人は離ればなれ.

オリヒメと,ヒコボシみたい.

僕は旦那さんの理学療法担当.
(奥さんは別の理学療法師が担当になっている)

一生懸命歩く練習まで行っていて.
体力も大分ついてきた.

旦那さんの練習が終わると,車いすに座ってもらい,奥さんのところへ連れて行くようにしている.

時間が必要だが,これはタイムロスではないと思っている.

二人はこの時間(といっても5分程度だが)を楽しんでいるし,こういうのって,こっちまで幸せになる.

こうやって車いすを押すことがうれしい.

もうすこし体力が回復したら,自分たちで渡り廊下をこえられるように・・・

って,そう思いながら.

コメント

  1. cyama より:

    Unknown
     切ないですねー。すぐ近くに居ながら、5分しか逢えないなんて。老夫婦が、寄り添って生きていらっしゃるのを、テレビなどで見ると、両親の姿と重なって、泣きたくなります。だれか、ボランティアで、車椅子を押して下さる方はいないのでしょうか。もっと暇人だったら、私が行きたいけど、仕事もあるし、母と、義母と、伯母と、主人の従姉夫婦と、気がかりな人達が沢山いて、お役に立てないのが残念です。でも、KAZZさんの優しさは、きっと、ご夫婦の大きな力になっていると思いますよ。

  2. kazz より:

    >cyamaさん
    おひさしぶりです!
    うちの病院,ボランティアを大募集していますが,こういう形でボランティアではないように思います.(受付案内ではよく見かけるのですが・・・)

    ボランティアに関しては,いろいろと提案したりしてみようと計画を練っています.

    生活上のお世話もですが,車いすを押したり,お話したりなんてものいいですよね!
    あと・・・本の読み聞かせとか.
    海外では,絵画を教えるなんてもボランティアの方がされていました(病院でっ)!

    プライバシーの問題や,窃盗の問題など,考えなければならないことはいろいろあると思いますが,すすめていきたいな~!

    「こういうときボランティアがいたらいいな~」
    って思うときが結構ありますが,
    「ボランティアにお任せではなくて,自分でもやれることあるなぁ.自分がやればいっか!」て思ったりもします.
    職員が空いた時間で,すこしそっちに力を向ければ,大きな助けになるんじゃないかな~
    ・・・なんて妄想でしょうか(笑)?職員バタバタしてますし・・・

    ご夫婦に関してですが,
    もし僕がしなかったら,5分さえも逢えない・・・
    そう思うとやめられなくて・・・

  3. 松江市民 より:

    Unknown
    私も、KAZZさんと同じような事、思っていました。職員の方達はただでさえ大変なお仕事で、今以上の事を望むのは無理。それをしようと思ったら、身体を壊してしまいますよ。そんな時、ボランティアの方達が、補えることがあるのではないかと。私は、姉と交替で、両親の入院時、付き添いが出来ましたが、寂しい想いをしていらっしゃるお年寄りの話相手や、お散歩を、引き受けて下さる方がほしいですよね。

  4. kazz より:

    >松江市民さん
    コメントありがとうございます!

    大げさな人類愛よりも個人から個人へのちょっとした優しさのほうが望ましい。 (リチャード・デーメル)

    すこしづつ,できることを力を合わせてやっていきたいですよね.
    病院も,そういったボランティアの受け入れ態勢や広報ができたらいいなと思っています!

    また,意見ください!ありがとうございました!

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