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全体像をかえること

背中にドレーン(←管)を入れているおっちゃん.

気管切開(喉に穴をあけている)をしていて,スピーチバルブ(声を出すための補助具)を装着しているものの,言葉よりも目力で苦痛を訴えることが多い.

おっちゃんは,いわゆる寝たきり・・・
そして,全身に痛みが走るため,介入がなかなか難しかったりする.

この病院中で,おっちゃんを起こす事の出来るのは・・・

いまのところ理学療法士の僕だけだ.
(あくまで,いまのところ)

担当理学療法士:僕

理学療法士の醍醐味は,直接患者さんに触れられること.
そして,患者さんの回復の瞬間や,患者さんが何かに挑戦している瞬間に立ちあえるところ.

起きたり,立ったり,歩いたり・・・そんな運動機能の回復に向け一番ヤリを刺すことが出来る.

僕の目の前で,運動機能の変化が起こる.
てか,そのようにセラピーを展開しなければならない.

背中ドレーンのおっちゃんも,車椅子に座ったのの第一発見者は僕!
(セラピー中に行なうので当然ですわな!)

で,心の中では

「ほら,このおっちゃん座れるんだぜ!」

って,車椅子にのったまま病棟廊下を散歩する.

すると,看護師さんたちも寄って来て,患者さんに

「すごーい,座れるんだ~!」

って声をかけてくれる.

これが,たまらなくいい!
努力しているのは患者さんなのだけども,担当の僕も誇らしく思えてしまう!

ベネッ!

おっちゃんも,変な笑いを浮かべたり,「当然だぜ」って顔してそっぽを向いたりしている.
時に苦痛に顔を歪める事もあるが,それでも拒否せずに僕の介入を受け入れてくれる.

さて,次はどんなコトをして,おっちゃんや看護師たちを驚かそうか?
と,ワクワクしたりする.

目下
おっちゃんはいつも,しかめっ面をしている事が多いので,笑顔の時間を増やせたらと思う...

運動機能とは違うんだけど,これも目標として挙げてもいいでしょ!

■全体像をかえること.

理学療法の評価でも,最初に挙げられている項目が全体像だ.

しかめっ面

にこやか
にする.

で,どう介入したらいいか?

どうセラピーを展開していくか考えるのよ!

臨床って,そんな所がいいな.

辛くなることも山ほどあるけどさ...

コメント

  1. cyama より:

    Unknown
    素敵です。そんな風に考えられる所が。人は、とかく、自分の不幸を数える事が得意です。人に対して、ああしてくれない、こうしてくれない、と。結局自分を、追い詰めているだけ。                                    頭では分かっていても、難しい事ですけどね。その上をいって、困難を、喜びに変えられる所まで到達出来ている、KAZZさん偉いです。あんまり褒めると、貴方が、理想を追い求めすぎて、かえって辛くなるかもしれませんが、私も、そうありたいと思っています。 

  2. kazz より:

    ありがとうございます!
    いつも,褒めていただいてありがとうございます!
    励みになります!
    自分が,「困難を、喜びに変えられる所まで到達」できているかは分かりませんが,やはり,喜びの方がいいですね.

    今日も一日頑張ります!

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