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山陰臨床栄養研究会

理学療法/病院

今日は
『第22回 山陰臨床栄養研究会』
に参加

一般演題5題と特別講演。
一般演題はどれも考えさせられる内容でとても勉強になるものだった。

特別講演は
『外科周術期の栄養管理の up-to-date』
(帝京大学医学部 外科学講座 教授 福島亮治先生)

アルブミンの解釈について、とても示唆に富む内容だった。

途中の珈琲ブレイクでは、他病院のスタッフと交流を持ってたり、発表者から意見をもらえたりと有意義だった!

一般演題の質疑において、VF(video fluorography:嚥下造影検査)について、造影剤は何を使っているかという、質疑があった。

『提示されたVF動画をみたところ、ガストログラフィンRのようだけども、硫酸バリウムの使用が良いのでは?』
ということだった。

日本摂食・嚥下リハビリ テーション学会の文章『嚥下造影の標準的検査法(詳細版)日本摂食・嚥下リハビリ テーション学会 医療検討委員会案 作成に当たって』でも

『ガストログラフィンRは誤嚥した場合の肺毒性が報告されており,嚥下障害での使用は不適切である. 一般には硫酸バリウム懸濁液を各種の濃度に調整し,模 擬食品に添加して使用する.』

とある。

画像み見て造影剤がわかるんだ!って驚いた。
(僕は普段見慣れてないし、造影剤の違いを気にしたことがなかった…)

外科分野において、ガストログラフィンは高浸透圧で水を引いてくるから、下剤の役割も果たしていて使用されやすい反面、バリウムは固まって詰まってしまう可能性があるため、慣例的にガストログラフィンが使用されやすいようだ。ただ、これは外科分野の話で、嚥下検査が目的であれば、ガストログラフィンの高浸透圧性は肺には不利益だから、バリウムを使用した方が、良いだろう…

とのことだった。
その先生の施設では、嚥下造影検査においては、全例バリウムを使用しているとのこと。

現代は、嚥下検査のためにガストログラフィンRを使用している施設は少ないはず?

いままで、気にしていなかったけども、今後チェクする項目は増えた。

—————

特別講演のアルブミンの話については、
アルブミンって栄養指標として単純に捉えて良いものだろうか…という話だった。

採血する姿勢でも値が変わることは知られている(知らない人も多い)
入院前に座位で測った値と、入院術前に臥位で測った値は、単純に比較できない。

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参考

シー・アール・シー | よくある検査のご質問 | 血清アルブミンの変動要因について教えてください。

従来言われていたのは、炎症期において、肝臓がCRPの産生のためアルブミンを作ることができなくなるため、血中アルブミンの値が低くなる…と言われていたのだけども、血中アルブミン量を調べても、それは産生量を反映しない可能性がある(つまり、アルブミンは作られたとしても、血液以外のどこかに漏れている・・・とか)

それらの裏付けとなる論文も多数紹介していただきながらの講義だった。

・・・少なくとも
栄養指標としては、血液データだけを捉えるのではないから、多面的に見て言うのは当然なんだろうけども、臨床の上での良い注意事項と根拠獲得になった。

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参考

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