あっと言う間に4月も終わり。
4月の読了は21冊。
うち、電子書籍(Kindle)は、8冊。
小説では
森博嗣『マインド・クァンチャ - The Mind Quencher』。これが、シリーズ最終作になるので、前作を読んで、たまらず文庫版の発刊が待ちきれず単行本を読んでしまった。美しいな。まだ続きそうな感じを残しつつ、最終巻か・・・。
福田和代『緑衣のメトセラ』は、『バベル』に次ぐ名作とだろうと思って手に取ったのだけども、ちょっと残念な展開だったな。『バベル』のように勉強にもなってストーリーとしても突飛でないものがよかった。いや、突飛だと感じてしまったのは、もしかしたら、まだ現実の医療レベルが・・・
知念実希人さんは『神酒クリニックで乾杯を 淡雪の記憶』が発刊されたのだけども、これは2巻にあたる。てことで、1巻目の『神酒クリニックで乾杯を』も読んだ。このシリーズは、『天久鷹央(あめくたかお)の推理カルテ』シリーズ』ともつながる面白いものだった。すこしハードボイルド的なところがより良し。
今年の本屋大賞をとった宮下奈都『羊と鋼の森』は、高校生の時に体育館で見たピアノ調律の体験から、自ら調律師を目指し、成長していく物語。純朴なキャラクタとストーリィが良かった!藤沢周 『武蔵無常』は、新たな宮本武蔵像が描かれている。苦悩する武蔵。ドストエフスキーの『罪と罰』、カミュの『異邦人』を作中に登場させていることで、よりその苦悩や、言葉にならない意味のようなものが伝わってきた。
ビジネス書的なものなどは・・・
本郷陽二『渋沢栄一 巨人の名語録 日本経済を創った90の言葉』。高橋俊介『プロフェッショナルの働き方』は僕にはイマイチ、というか参考にならなかったかな。佐藤康行『仕事の80%は人間関係で決まる ムカつく上司とイラつく部下がいる職場が天国になる神業』は、あらゆる場面を想定してどのように考えればよいかが示されている。職場で不安を感じている方やイライラしている方が振り返るにはよい本かな。出口治明『人生を面白くする 本物の教養』は、タイトルの少しずれたような内容に感じたのがマイナスかな。株勉強.com『初心者からの株式投資 スイングトレード実践トレーニング』はたまには株の知識でもと思って読んでみた。初心者は初心者用の本を読むように最初に書かれていたので悪しからず・・・。で、この本は株勉強.comに誘導するためのものだと思う。だからと言って、内容が悪いわけではなくて、株に対する心構えがしっかりと書かれていて勉強になる。具体的なノウハウを知るのには不十分かな。
医療・社会分野では
藤田紘一郎が腸の素晴らしさを解説した『腸寿力』は平易に腸の働きや、知られざる腸の機能について解説してあり楽しめた。歯科医師である早川巖の『長生きする入れ歯―科学的根拠に基づく知識と治療法』は、歯について・義歯についてわかりやすく書かれていて、勉強になった。こんな風に義歯が作られているのかと、少し驚いた。また、義歯に対する熱い思いも書かれていて、魅力的だったな。宮本省三 『脳のなかの身体―認知運動療法の挑戦』は、認知神経リハの解説本として読んだらいいのかもしれないけど、治療効果についてはやや説明不足を感じた。ただ、治療に対する思いや、脳科学の基礎的なところは非常にわかりやすく、よい本だった。
春日キスヨ『変わる家族と介護』は、現在の社会における家族と介護について、問題点を指摘し、若干の提案が述べられている。どうなるかまだわからない。鳥海和輝『マンガ 誰でもわかる医療政策のしくみ vol.3 ―2016年度診療報酬改定徹底解説―』は、今回の診療報酬書いてについて、漫画を交えながら網羅的に解説してあった。これだけ読めば十分じゃないかと思う。
あと、思想的なのは
平野啓一郎『私とは何か――「個人」から「分人」へ』では、”分人(ぶんじん)”という概念を用いて、人の在り方が解説してある。とても参考になった。悩みに陥った人はこの本を読んでみてもいいかもしれない。南直哉 『善の根拠』は、繰り返される問答によって、前途は何かを宗教から離れて、かつ宗教の視点を持った禅僧から語られている点で非常に興味深かった。結局結論が出ないのは分かったことだけども、著者の研ぎ澄まされた思考によって善について説かれているので、退屈しなかった。長谷川三千子『九条を読もう!』は、改憲派の著者の視点から、九条について解説してある。ただ、護憲派の意見が併記されていたらもっとよかったかなと思う。この方と護憲派との対談とか面白そうだと思う。中尾浩之『腰痛の原因と治療: 非特異的腰痛症へのアプローチ方法』は、理学療法士の作成した電子書籍で、気になって読んでみたのだけど、何でもかんでもで少し無理があると感じた。網羅しているように見えて、矛盾に見えたりと・・・。電子書籍を作成するという行動力は素敵だけど、内容はちょっと残念だったな。
ケント・ギルバート『やっと自虐史観のアホらしさに気づいた日本人』は、2015年に出された『まだGHQの洗脳に縛られている日本人』に続く書だとのことだけども、そちらは読んでいない。タイトルで分かるとおり、著者は日本でいう保守論者にあたる。王道の保守論で、前作も読んでみたくなった。
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