『リハビリテーション総合実施計画書』
というのをリハビリ介入初日に作成するようにしている。
患者さんの現在の運動機能の状態や、生活背景(同居家族や、職業、趣味や性格)、リハビリに対する患者本人や家族の希望、そして、リハビリも目標や目的を記す書類だ。
数年前までは、この書類もゆったりと作成して、内容もウスい状態だった(と反省している)
いまは、なるべく内容を濃いものにするようにして、なおかつリハビリ介入初回に作成して、患者本人か家族にサインをもらうようにしている。
そして、この書類作成時(つまり情報収集をするとき)に、患者さんとそのご家族に、リハビリの目的なども同時に説明するようにしている。
回復期リハビリであれば、入院前に前もって、患者さんの生活の背景や運動機能などは知ることができるだろうけども、急性期病院では、真っ白な状態からの情報収集になり、そういう点で慎重に情報収集しなければならないといけないと感じている。
もちろん僕らのリハビリの介入前に、看護師さんは患者さんの基本情報を得ている。
同居家族や入院前の簡単な生活状況が記されているけども、内容としては基本的なもので、リハビリで必要な生活背景などは、リハビリスタッフが得るようになる。
この書類作成に力を入れたいと思っている。
なるべく患者さんとご家族とゆったり対話する時間を取る。
そんな時間が取れないことも多々あるので、リハビリ介入しながらジワジワと聞き出す情報も多い。
患者さんの生活背景を知ることは大切なことだと思う。
・・・などと、改めて言うまでもないけども、慌ただしい臨床の中では、これらがおろそかになりつつあることが多いのではないだろうか。
そして、そんなおろそかな状態では、リハビリの内容も、単純な現状の改善とか、運動機能回復に焦点が当てられがちになると思う。
患者さんがどのように生きてきたのか。
これからどうしていきたいか、希望や不安を聞き取ることが、セラピストの存在の仕方に大きく影響すると思うし、セラピストが聞き取った情報によって、看護や医療相談員の患者さんに対する向き合い方も変わるかもしれない。
そんな影響のある、意味を持つ情報収集をしたいと感じる。
と、同時に
その聞き取り自体が、患者さんやご家族に対するカウンセリングになったりもすると思う。
このリハビリテーション総合実施計画書作成における面談や会話において、
ときには涙を浮かべられる患者さんやご家族さんがおられる。
みんな不安でいっぱいなのだ。
突如、怪我や脳卒中により生活が一変してしまい、どうしていっていいかわからない状態である。
そんなときに、専門家としては、様々な情報を提供することができる。
患者さんもそのご家族さんも、他の患者さんの経過を知ることや、どんなことが待ち受けているかを知ることが、一つの救いにもなるように思われる。
思いを込めて、思いを乗せて、この書類作成をしていきたい。
ただの書類作成にならないように。
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