秘帖・源氏物語 翁‐OKINA (角川文庫) | |
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夢枕獏の『源氏物語』
「単行本」「文庫」「電子書籍」同時発売とのことだったけども、寄った書店には文庫しかおいてなかったので、文庫を購入。
『陰陽師』の夢枕獏らしい物語。
『陰陽師』では、いけ好かない役でもあった芦屋道満(あしやどうまん)が登場し、この物語中では素敵な演出をこなしている。
光源氏はこれまた安倍晴明(本作には出て来ないよ)のような不思議な雰囲気をもっているんだけども、物語の終末には意外な一面を見せる。
『源氏物語』というより、『陰陽師』の感覚でスラスラと読むことができる。
宗教哲学、存在論、すべてが絡み合った物語で、特に後半からがゾクゾク来るほど盛り上がる。
物語の謎が帰結するところに、この上ない快感があるのは、さすが夢枕獏だ!
作者自身に『傑作』と言わせしめるのもワケが分かる!
※ちなみにこの物語は「源氏物語」を題材にした陰陽師というスタンスで読んだほうがよいので、「源氏物語」を読みたい人は他書をお勧めします!
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