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雪かきの時

先の大雪被害の中
雪かきをしていた時のこと。

一人のおじいさんがヨロヨロ歩いていた。

歳をとっていたせいもあると思うが、そもそも路面が雪でグシャグシャだ。

歩道なんてものは雪で埋め尽くされているし、歩行者も車道を通るほかなかった。
その車道は本来、対向2車線なのだけども、雪のせいで1車線の道路になっていた。

僕は偶然居合わせた中学校の同級生と、車がすれ違うことのできるゾーンをつくるため雪かきをしていた。

よろよろ歩くおじいさん

その正面から車が一台きた。
この車もヨロヨロだ。

丁度おじいさんと車とが狭い道路で行き違うこととなる。

おじいさんは、道の横によけるのだけども、車にとっては結構邪魔だろう。

車はそもそも低速であったが、さらにスピードを落とした。

そして
ちょうど、車とおじいさんがすれ違うときに、車の窓が下がった。

運転席から若い、おそらくハタチ前後の男が、おじいさんに声を掛けた。

「じいさん!じいさん!邪魔邪魔!」

え?

という具合におじいさんが振返ると

若者は続ける

「邪魔だからどっかいって!」

おじいさんは怒ったのか戸惑ったのか、僕からは表情が見えなかった。
しかし、おじいさんは歩を止めていたことは確かだった。

すると、次は後部座席のドアが開いた。

中からは、これまたおじいさんが、えらい剣幕で出てきた。

「邪魔だけん、どけって言っとうのが分からんだかぁ!」

目をひんむいている。

もう2~3言なにかを怒鳴ってから、ドアを閉じて、車は向こうへ走っていった。

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雪の災害のせいで、心の余裕がなくなっているのかも知れないが・・・
こんな光景は見たくなかった。

譲り合いの精神

怒鳴り合うよりも、少しとまればお互いに気持ちよく進むことができるのに、なぜ、それができないのだろうか?

それに、運転手の若者。

見知らぬご高齢の方に
「じいさん」だの「邪魔」だの、よく言えたものだ。

おそれを知らないのだろう。

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災害時や、危機に瀕している時こそ、心の余裕を持ちたいと思った。

ワーワー騒いで、何でもかんでも人のせいにして・・・そんな心ではイカンのだ。

コメント

  1. Sot より:

    切ないなぁ。
    助け合いの精神以前に、
    年長者への敬いの精神が欠けています。
    人生の大先輩に、「邪魔!」なんて、
    よくも叫べるものです。

    他人のせいにするのは至極簡単。
    でも、それでは自己の成長はあり得ない。
    まぁ、そこまで望むのも何ですが、
    せめて、相手を思いやる気持ち、
    いや、相手の立場に立ったものの考え方を
    ちゃんと養って行かねばなりません。

    世知辛い世の中ではありますが。

  2. meguko より:

    (;ー
    私は今回の豪雪で、人の温かさを感じることが多かったですが、そんな人もいるんですね。
    悲しいです。
    切ないです。
    おじいさん・・・元気にしてるかなぁ。。。

  3. kazz より:

    re:切ないなぁ。
    同感です。

    世の中、自分さえ良ければいいといった個人主義がはびこっている気がします。
    公(おおやけ)の精神がどんどん失われていっている気がします。

    ほんと世知辛いです。

  4. kazz より:

    re:(;ー
    >megukoさん

    そんな人もいるんですよ。
    かわいそうな人です。

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