『日本人の宗教と動物観』という本を読んでいる。
日本人の宗教と動物観―殺生と肉食中村 生雄吉川弘文館このアイテムの詳細を見る |
肉食(にくじき)に対する考えについて論じてある箇所で引用されている対照的な言葉を紹介したい。
一つは旧約聖書の「創世記」第九章二-三節
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地のすべての獣と空のすべての鳥は、地を這うすべてのものと海野すべての魚と共に、あなた達の前に恐れおののき、あなたたちの手にゆだねられる。動いている命あるものは、すべてあなたたちの食料とするがよい。わたしはこれらすべてのものを、青草と同じようにあなたたちに与える。
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もう一つは禅思想家、鈴木大拙の「中央公論」誌上の短文。
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吾、汝の肉を切りて、舌端に上せ、歯牙の間に咀嚼し、胃袋の中に嚥下する、始終前後、汝が真理のため犠牲となしたるを思ひ、吾も汝の例に従わんとするを忘れざるべし。汝、決して吾私欲の為めに殺されたりと信ずるなかれ、宇宙の生物皆各自にその分あり、汝其の分を尽くしたり、吾亦豈(あ)に其の分を遂げざらんや。
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われわれ日本人は、食事に際して「いただきます」と手を合わす。
この、「ついつい、やってしまう仕草」に封じ込められた日本人特有の生死感に思いを馳せてもいいのかも知れない。
(※むろん、「神さまから(契約として)いただいた」と感謝をこめてもいいのかも知れないが・・・)
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