今年は、CPR(Cardiopulmonary Resuscitation:心肺蘇生)50周年記念らしい!
その記事が、JAMA(JAMA. 2010;304(1):87-88.)にドラマチックに書かれている。
Cardiopulmonary Resuscitation
Celebration and Challenges
死ぬかもしれない人を救うという行為が二本の腕でできる!
もともとは、犬を用いた研究で偶然に記録されたことに始まるらしい。
(除細動の研究のため、準備として電極を心臓に取り付けたら、大腿動脈の圧が記録された。)
胸部圧迫を心停止の患者に用いて蘇生成功の報告したのがKouwenhovenたちで、1960年7月9日のJAMAだったのだ。
さて、
今回の記事が指摘しているように、たしかに、救命率が高いわけではない。
しかし、死ぬような人が一人でも生き残ったのならば、それは歴史を変える素晴らしいことだと僕は思う。
さらに救命率を上げる
しかし、CPRはさらに救命率を上げるべく進化を遂げている。
bystander(バイスタンダー:傍にいる人)のCPR実施率を増やすという所に努力がおかれる。
- マウス・トゥー・マウスは強調しなくなっている。
これは、胸部圧迫とマウス・トゥー・マウスを組み合わせた手技が一般の方には複雑であることと、マウス・トゥー・マウスにおける抵抗感の存在、そして胸部圧迫のみでも心臓にとっては大変有用な効果があるという理由からである。 - 電話誘導CPR(dispatcher-assisted telephone CPR.)の利用
やはり、胸部圧迫が簡単だといっても、技術は技術であるし、救急の混乱した状況下では、なかなか行えない。そういった意味においては、CPRは普及していない。
電話誘導CPRが、bystanderCPRを50%も増やすという報告がある。
我が国においても、電話誘導の有効性や、ハローページに蘇生法の掲載を促す記事がある。 - CPR手技の普及
全てとはいえないが、学校校区ごとや自動車免許教習所ごとにCPRの教育を行うシステムがある。またネットでも電話の簡易CPRの無料トレーニングを受けることが出来る。あと、bystander(バイスタンダー:傍にいる人)のCPR実施率を増やす他に、AED(Automated External Defibrillator:自動体外式除細動器:じどうたいがいしきじょさいどうき)の使用についての努力が挙げられる。
設置と啓発が各所において行われている。最近では至る所にAEDが設置されるようになったと感じる。AEDを奥だけではなくて、どこにおいてあるかの看板も良く見かけるので、そういった時は確認するようにしている。駅や空港、ホテルなど設置率が上がって来ているよね。
最近ではハイリスクの個人の家にでさえも設置するほど拡散してきているみたいで、コストも低くなってきているとのこと。
「もしかすると今後は人数分設置」・・・と記事にはあるが、言い過ぎでない?(^_^;)アセ----------------
とにかく
死ぬ筈の人が、一般人である自分の知識や技術、そして行動によって、死なずにすむ(生き返る、息を吹き返す)ってすごくないか?
今後もCPRは発展していくだろう。
突然死を減少させるのみならず、後遺症の軽減にむけて。
コメント