リハビリに従事する人間ににとって、「行動」は深く考えるべきものである。
そう思って、ついつい手にとってしまった本。
■行動学入門
しかし、著者は・・・
三島由紀夫だった。
行動学入門 (文春文庫)三島 由紀夫文芸春秋このアイテムの詳細を見る |
僕は太宰治が好きだが、三島由紀夫も好きだ。
というか
この二人のコントラストがたまらない。
真逆を向いて、同一直線上にいるような気もする。
この本には
■行動学入門
といっしょに
■おわりの美学
というのも収められている。
「おわりの美学」の段には、三島由紀夫のさまざまな「おわりの美学」が語られている。
項目は
■結婚のおわり
■電話のおわり
■流行のおわり
■童貞のおわり
■OLのおわり
■尊厳のおわり
■学校のおわり
■美貌のおわり
■手紙のおわり
・・・全部で23項目の「おわり」がある。
この目次をみて、思い浮かんだのが、やはり、太宰治の「グッド、バイ」だ。
未完のまま終わったこの小説が、どのような結末をたどるのか知る由もないが、おそらく、太宰治はさまざまな「グッドバイ」を書き綴りたかったに違いないと思う。
この対比を、僕の頭の中の妄想として楽しみたいと思う。
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それにしても、三島由紀夫の文章は独特のチカラを持っている。
彼の結末を知っているから?
そういうこともあるかもしれない。
例えば次の下り
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日本刀はたまのように速くないけれども、一たん鞘を抜けた以上は、物、あるいは人を斬るという目的なしには鞘に納まることができない。
その目的に向けられないで抜かれてしまった場合には、日本刀は容易に敗北し、挫折するのである。
(行動学入門)
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三島由紀夫はこの一例として、日大騒動で学生達が日本刀を抜いたにもかかわらず、たちまちその刀を奪われてボコボコにされた話を出している。
おそらく、学生たちは、威嚇のために日本刀を抜いたのだろうと・・・
武器には武器の目的がある。存在がある。
だから、その目的以外には容易に抜かれないものなのだと。
そして、「宝石の終わり」ではこう綴っている
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では、人間が宝石のまま、永遠に終わらない純潔を保つことは不可能でしょうか?
男の例なら、われわれは即座に、あの特別攻撃隊の勇姿を思いうかべることができます。
人間のダイヤを保つには、
純潔な死しかないのです。
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昭和45年11月25日
三島由紀夫は自ら命を絶った。
享年45歳
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