春から務める予定の新人理学療法士が見学にやってきた。
まじめで丁寧な印象。
第一印象はよし。
彼は今日から3日間理学療法の見学をして、4月1日から職員として働くこととなる。
今日が第一日ということもあって、僕がある程度病院内を案内することになった。
図書館にも案内した。
そこで、彼に質問をしてみた。
『腰痛ってなんでおこると思う?』
彼が答えた" 腰痛の原因 "は
■二足歩行
■ヘルニア
だった。
先日まで学生をしていて、最新の医学を学んでいる筈の人間でもこの答えなのだ。
日本の・・・というか、日本の理学療法士の腰痛概念はどこかおかしいぞ!
生物学的な視点から思考が広がらないようだ。
そして、たとえ「心理・社会的」をいう言葉を用いたとしても、結局は、「姿勢」や「ゆがみ」や「変形」や「動作」こそが、腰痛の原因だと思い、アプローチする。それだけに留まらず、その考えを流布する。
まるで洗脳の連鎖だ。
以前も書いたかもしれないが、理学療法士が書いたもので、「これだけは知っておきたい腰痛の~」みたいなタイトルの本を手にしたことがある。
そこに見られたのは化石のような腰痛の概念・・・つまり、生物学的なこと"のみ"に腰痛の原因を求めている文章のオンパレードだった。
これは、世界で吟味された内容には反するものだ。
その本に挙げられている参考文献をみてみてたら、かなり古いものであるばかりではなく、結局は、自分たち(著者)が過去に書いた論文が挙げられていたりしていた。
結局は、事実を伝えようとはせず、自分たちに都合の良い論説だけを用いて、自分たちの理論や技術を補強しているようにしか思えない。
このやり口は、宗教を語る怪しげな団体に見られるものに似ているような気がする。
信者の体験談で自分の思想・理論を補強し、流布する。
それは、一歩その世界から出れば、まったく通用しない論理だ。
さてさて、
前置きが長くなったが
この腰痛について真実を知りたいと思うのであれば、長谷川 淳史(はせがわ・じゅんし)氏の本を読むことをお勧めする。あるいは講習会に参加することをお勧めする。
腰痛は<怒り>である 普及版長谷川 淳史春秋社このアイテムの詳細を見る |
「腰痛におけるまともな情報」と「EBMやNBM」の姿を知ることができると思う。
長谷川氏の本は腰痛に関わるものの中ではもっとも率直で、読みやすい。
そして、医学的で、自らの理論や技術を補強するためだけも本とは違い、幅広く知識を得ることができるものだと僕は確信している。
この方の本であれば、デマのあふれた憂うべき腰痛医療を真っ当な世界にシフトさせることができるかもしれないとそう思っている。
腰痛に関わる医療関係者であれば、当然読むべきだと思う。
『腰痛は怒りである』というタイトルをみて、初め僕は「フンッ」ぐらいにしか思っていなかった。
が、読んでみると大間違いだと気がついた。
目から うどん 鱗!
さて
この長谷川先生が、新しい本を出される。
4月10日
急性腰痛と危険因子ガイド春秋社このアイテムの詳細を見る |
長谷川先生御本人のブログ「腰痛治療最前線―アスクレピオスとカデューセウス」(2010年03月25日)を拝すれば、長谷川先生のこの本に対する意気込みを感じることができる。
オイラも早速予約しちった!
まだ、時間があるが、ヒジョ~に楽しみである。
コメント
ありがとうございます
早速ご紹介いただきまして誠にありがとうございます。
僕もまだ手にしていないので、どんな本になっているか少々不安です。
お気に召していただけると良いのですが…。
もしお気に召さなかった時は、どうかお許しください。m(_ _)m
re:ありがとうございます
コメントありがとうございます!
許すも許さないも、
いままでの先生の著書、ブログ記事、講義から考えても次の本も期待できるとおもっています。感謝することはあれど、不満に思うことんなどは無いと思います。
先生が苦心されて集められた知見を、本で読ませていただくなんて、申し訳ない気持ちです。
と言いつつ、今後も期待しているのですが(笑)
先生の御著書を読んだことや、講習会に参加させていただいたことによって、僕自身理学療法士としてもかなり成長できたと思っています。
これからもよろしくお願い致します!