長期入院のおばあさん。
病気の都合もあって、具合が悪くなったり良くなったりを繰り返しておられるが、やはり体力はどんどん低下している。
リハビリは僕が担当で、具合によって運動負荷のサジ加減を微妙に調整する必要がある。
動くことが嫌になることもあろうし、動きたくなるときもあるだろう・・・
詰め所で
看護師さんから声をかけられた。
「点滴を嫌がってしようとしないので、kazz先生からもするように言ってもらえませんか?kazz先生のことなら聞いてくれるかもしれないので・・・。」
おばあさん。点滴をいやがるの巻・・・だ。
看護師さんも苦戦しているようだった。
「なんで、嫌がられているんですか?」
という僕の質問に、看護師さんは
「さぁ?なんででしょう?」
と答えた。
病室に行き、いつも通り挨拶をして、おばあさんに聞いてみた。
「どうして点滴が嫌なんですか?」
おばあさんは目をバッテンにして、あからさまに嫌な顔をした。
「私ノ手ハネ・・・穴ダラケ、ナノ」
おばあさんの手は、長期入院での治療にともなって、点滴を何度も使用している。
血管は見えにくく、腕自体が点滴の痕でうまっていた。
辛いだろうな・・・
「そうですか・・・腕の点滴はやめて、今日は脚からとってみませんか?痛くないかどうか、できるかどうか看護師さんに聞いてみてあげましょうか?」
おばあさんは天井を見つめていた。
「無理にしなくてもいいけど、おばあさんに良くなってもらいたいからね。できそうだったらどう?僕、針を刺す間そばにいるから!」
「ホント?」
と聞き返されたので、「痛かったらやめようよ」ということで、了解された。
看護師さんには報告しといた↓
「腕が穴だらけだから点滴したくないそうです」
で、実は、脚の血管も見えにくくて、結局は点滴しなかったんだ・・・
けど、そんなのどうでもよかった。
だって
翌日より、おばあさんは
「点滴して」
って、自ら言って出たらしい。
まだまだ、治療は続くから辛いことが山ほどあるかもしれないけど、一緒にがんばっていきたい。
コメント
Unknown
一家に一人、KAZZさんが欲しい!
>cyamaさん
一家に一台・・・一人僕がいたら、大変ですよ!
かなり家が散らかっちゃいますから~(涙)!