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意味が無い?

「意味が無いんじゃないかという声が上がってて」

と言ったのは、リハ病棟看護師。

主治医の求めることは、

『患者さんが座って昼食がとれるように』

という事だった。

さもなくば、患者さんはベッドの上か、車椅子の背もたれににもたれて食事をすることになってしまう。

なぜ、看護師が「意味が無い」と評しているのかというと・・・
「できないから」に他ならないようだった。

座ったときのバランスが悪くて、介助量が多くなるとの事。
結局、食事の途中で車椅子に移ってしまうのだそうだ。

「出来ないから意味が無い」

それでいいのかい?

ふと、廊下で出会ったのをキッカケに、看護師と主治医と話合をした。

主治医は、「出来ないようならば、あまり無理をしなくても良い」
という判断だった。

実際のところ、そう言うしか無いのだと思う。

現場のスタッフが「出来ない」と言ってしまえば、「しなさい」と無理強いは出来ないだろう。
優しい女医の先生だし。

・・・結局、僕の口から出た言葉は

「僕を呼びなさい」

だった。
僕が食事に着く事にする!

僕達がしなければ、誰がすると言うんだ!
看護師があてにならない以上、僕が出張るしか無い!

ここはリハビリテーション病棟
リハビリテーションの専門家たちがいて・・・そんな僕達が「出来ない」と言ってしまっては、誰がするというんだ!!

看護師に言っておいた
「出来ない」のは患者さんのセイではなくて、スタッフの技術の問題もあるということ。
「なぜ出来ないか?」
「どうしたら、出来るのか」
を考えて、さんざんやってから敗北宣言(=「できません」)をするように!
と・・・

機能回復だろうが、環境作りだろうが、環境適応だろうが、リハビリテーションに「挑戦」を無くしてしまったらいけない。

「意味が無い」で、切り終わるんではなくて、意味を作っていかなけりゃならないと思う。

今日は、僕が昼ご飯に着くことにした。
(いつもは、食事姿勢のセッティングのみで、食事介助自体は看護師さんにおまかせで逃げるので・・・)

確信した!

できる!座って食事が出来る!
介助や誘導次第でできない事は無い!

看護師も側にいてくれたので、説明を加えつつ食事介助を行った。

「はいっ!出来ます!」

と言ってくれたのに救いを感じながら、おかずの少し残ったお椀を看護師さんに託して病室を出た。

僕も腹が減ったのだ・・・

コメント

  1. むこさん より:

    Unknown
    お久しぶりです。
    本当に、仕事にかける情熱を感じ、頭が下がる思いです。

    >「出来ない」のは患者さんのセイではなくて、スタッフの技術の問題もあるということ。
    「なぜ出来ないか?」
    「どうしたら、出来るのか」
    を考えて、さんざんやってから敗北宣言(=「できません」)をするように!
    と・・・

    この発想は、すべてのサービス業とくに医療や福祉、教育に言えますね。簡単にできませんという人がいるのも残念です。

  2. 花吹雪 より:

    Unknown
    kazzさんと関わることができるかたは幸せだなぁと思います。

  3. kazz より:

    >むこさん
    こんにちは!

    いろいろ考えて工夫して「できたー!!」って経験があれば、「できません」って簡単に言わない筈だと思います。

    だから、いま、病棟やスタッフに必要なのは、成功経験なのかな・・・

    なんて思ってみたりします!

  4. kazz より:

    >花吹雪さん
    ありがとうございます!

    ほんとに、皆さんに幸せになってもらいたいです!

  5. 某Dr より:

    こう言うときには・・・
    しかし、どいつだ、そんな馬鹿なことを言ったのは!!
    リハが「無理」とか「適応無し」と言ってしまうと本当にそこで全てが終わってしまうということへのこだわりの無いヤツは医療職なんて辞めてしまえー!!と怒っていたとそのNsに言ってやってください。

  6. 某Dr より:

    ついでにその医者にも・・・
    自分で介助させましょう。
    熱い某部長なら、部屋の体感温度を上げながら飛んでこられるでしょ?

  7. kazz より:

    >某Dr.さん
    ほんとに・・・
    似たようなコト言って、僕も怒っていました(笑)!

    スタッフに、その自覚が無いというか・・・

    ここでやめてしまったら、患者さんが将来どのようになるかという、想像力が働いていなかったみたいですよ・・・

    医師・・・しばしば来てくれています!
    (美人女医さんのS先生)

  8. 女医M より:

    共感
    「ここでやめてしまったら、患者さんが将来どのようになるかという、想像力…」
    その部分に深く共感します。

    私自身、内科医として聴診器のみで患者さんを診ようとしていた時代がありました(極端な表現ね)。
    今は座らせてあげたり、立たせてあげたり、会話をしたりを加えてその方の体力や心肺機能を知ることができます。
    「座らせる」ことそのものが目的ではないですよね?
    主治医の先生の望んでいる本当の部分をみんなで理解しないとね。
    もちろん体力や心肺機能が追い付かない場合は「敗北宣言」の前に「作戦変更!」があっていいわけで(笑)。
    変更できる作戦がとても多いのがリハ医療の良いところで私の最も愛しているところです。

    過去に一緒に仕事をしたドクターの中には、実際に患者さんへの援助を知りたがり、実践したがる人は結構いましたよ。
    看護師が「無理」って言ったのでお昼ごとに患者を座らせ、口からその都度栄養チューブを挿入していた外科の男性医師がいて、とうとう看護師も手伝った(?)というようなこともありました。
    (実際、巨大なジョクソウがみるみる治ったので恐れ入った!)

    女医さんには割とリハ医になりたがる方がいて、一人は本当に転向してます(*^_^*)

  9. kazz より:

    >女医Mさん
    こんにちは!

    いろんなドクターおられますよね!
    「リハの世界」にいらっしゃ~い(byサンシ)!
    てか、ウチの病院にいらっしゃ~い(byサンシ再び)!
    (リハ医って少ないですよね!)

    最近は多くの科からリハに対する依頼や意見交換が増えてきているように感じています!
    (やめちまった某Dr.の種が順調に育っているのを感じます!)

    僕も、理学療法士になって、すばらしい世界に入ってきたもんだと・・・思う事しばしばです!

    もっともっと力を付けて、活躍していきたいと思っています!!

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