小学校のころである。
田舎の家なので、家の玄関は自由にあけてある。
その時、家に他の家族がいたのかどうか覚えていないけども、訪問してきたおばあさんの応対をしたのは僕だった。
サービス精神旺盛な僕は、おばあさんに覚えたての手品を披露した。
道具もいらない手品で、知っている人も多いと思うけども、一見、親指が手から切り離されたように見えるアレである。
子供心に、訪問してきたおばあさんを驚かせよう(喜ばせよう)と思ったのである。
―――――――
小学生の僕の思惑通り、おばあさんは多いに驚いてくれた。
そして、である・・・。
おばあさんは、
「じゃぁ、コレはできるかや?」
と言って、突如に自身の入れ歯を外したのである!
今思えば何ともないことなのであるが、その頃の僕は若かった・・・。
入れ歯の存在を知らなかったのである!
なので
かなり高度な手品かと思い、
「いったいどうやったら、あんなことができるんだろう」
と、おばあさんに尊敬の念を抱きつつ、しばらくはその手品の解明に、自分の歯を引っ張ってみたり、下あごを突き出してみたりと、孤軍奮闘していた気がする。
―――――――
ふと、こんな昔のことを思い出したりするのだが、
今思えば、大したおばあさんだったと思う。
孫氏の兵法の記すところである
『敵を知り、己れを知れば、百戦あやうからず。』
とは、このことである。
↑(;`・д・´)ホントカ!?
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敵を知り、己れを知れば、百戦あやうからず。
敵を知らずして、己れを知れば、一勝一負す。
敵を知らず、己れを知らざれば、戦うごとに必ずあやうし。
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<<和訳>>
相手のことを知り、自身のことを知ることにより、決して負けることはない。
相手のことを知らず、自身のことを知っている状態では、五分五分。
相手のことも、自分のことを知らなければ、必ず破れる。
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