7時.
職場へと出勤するために自転車に乗る.
朝と言えど,既に暑く空は青々として真白い雲が空に抜けていた.
射込む太陽を避けて,地面ばかりをみていたせいか,歩道の端に黒い物体を見つけた.
自転車の速度に押され,一度は通り過ぎたものの,気になって振り返ってみると・・・
■財布
だった.
・・・小銭入れ.
無礼ながら,中をみると・・・
空っぽ.
「まだ,出勤時間には余裕があるし,交番に届けてみようか・・・」
それが,もっと貴重な(大事な)ものに感じたら,確実に交番に届けるのだが,この空っぽの小銭入れには持ち主を奮闘させる能力もなさそうだった.
「交番に届けても,どうせ持ち主は見つからないだろうな・・・」
なんて気もした.が
「ものの価値なんて,人それぞれ! 持ち主にとっては大切なものかもしれないし,持ち主が見つかったらおもしろい!」
警察は好きではない(というか,何だか苦手)なのだが,交番に対する好奇心から,行ってみたい気にもなった.
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職場までの道のりを,すこし遠回りして交番にたどり着くと,
おじさん警官が挨拶をしてくれた.
でも,おじさん警官はすぐさま大きな声で他の人を呼び出した.
交番の奥から出てきたのは・・・
新米婦警!!
見るからに新米婦警だった.
だって,女子高校生みたいだったもの!
それでも腰には拳銃/警棒/手錠を装備していたのだから,不釣り合いだった.
「娘さんですか?」
と,聞きたくなった.
彼女は眠そうな目で,僕に問いかける.
「・・・それでは・・・住所を・・・」
やっぱり新米だ.
明らかにぃ!
その新米婦警さんは
「何をしてよいのやら分からない」
と言った様子.
それを見かねて,おじさん警官は幾度も口を出すのだが,この新米婦警(しかも寝不足)の間の抜けた返事は,
■コント
以外の何者でもなかった.
結構,笑いをこらえるのに必死だったよ.
「もしかして,理学療法士の学生さんが患者さんをみさせていただく場合も,こんな感じなのだろうか・・・?」
と不安に思った.
その新米婦警さんは必死で
■捨得物預かり書(写真)
の書類を作成されていた.
この書類には,落とし物の特性や状況,僕の住所といったものが書き込まれる.
さらに,この書類は複写用紙になっており,警察も僕も保管することが出来る.通し番号もついているのだ.
でもね,
その新米婦警さんは,複写用紙に下敷きもせず筆圧高く記入するものだから・・・
以降数十枚にわたって,今回のエピソードが転写されてしまっていたわけ・・・
意味分かる?
通し番号があるのに,その全てに僕の名前やら住所やら小銭入れのこととかが書き写されてしまっているの.
それをみた指導役のオジサン警察官は
「あ・・・(゜Д゜;)ヤテモータ」
中堅理学療法士として・・・非常に良く分かる!その気持ち!!!
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出勤前の10分は削られたものの,たいへん楽しいコン・・・仕事ぶりを見させてもらった!
頑張れ新米達!!
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