しばらく前に映画を借りてみた。
■ジョン・レノンを撃った男
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実話として、
ジョン・レノンは撃たれて死んだ。
駆け付けた警官が見たのは、そこで座り込んでいる犯人のマーク・D・チャップマンだった。
彼はその手に、一冊の本を持っていた。
その本のタイトルは
「ライ麦畑でつかまえて」
J.D.サリンジャーの本だ。
物語は、両親や世間から見放された彼が、図書館でみつけた「ライ麦畑でつかまえて」に傾倒し、ジョン・レノンを偽善(インチキ)だと思い、殺害に至るといったものだ。
その犯行は計画的でもあり、衝動的でもある・・・
ジョン・レノンのファンでもあった彼は、ふとそこにあるインチキに気がつく。
映画中にも彼の台詞として出てくる・・・
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彼を知るほど腹が立った。
ダコタ・ハウスの豪華な住居
ヴァオジニア州などに4つの農場を持ち
高価なホルスタイン牛を250頭も飼っている
フロリダに大きな別荘とクルーザーを持つ男のコトバ・・・
”想像してごらん 財産のない世界を”
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惨めな自分・・・
それと対象的に社会的地位と財産、名誉を手に入れているジョン・レノン。
そのジョン・レノンが口に出す言葉
『Imagine no possessions』
マーク・D・チャップマンはそこに、どうしようもないインチキ(偽善)を感じた。
彼は、自分自身を「ライ麦畑でつかまえて」に隠されている真実を広めるヒーローだと考えた。
それが彼の正義であり、任務だと考えた。
世界の偽善から、みんなを・・・自分自身を救おうとした。
その心理は、「子供達をキャッチする」と言っていた、ホールデン・コールフィールド自身が、「キャッチされたかった大人」だったのと同じだと思う。
ジョン・レノンを撃つこと。
それは手段だった。
『ちっぽけな僕が戦う敵は大きな偽善者なんだ。』
そして、引き金を引いた彼。
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完全にさめてはいないが夢でもない。
目が半分しか開かない。
恐怖のあまり体の感覚がなくなってくる。
自分が誰か(アイデンティティー)を見失っていく。
恐怖のせいだ。
自分が見えなくなる。
それ以上、恐ろしいことはない。
僕は超現実的な世界で恐怖に駆られて
引き金を引く前の状態になりたいと願った。
あの頃 僕の毎日は悪夢を見ているようだった。
目覚めも眠りも得られない。
死ぬほどの恐怖に叫ぼうにも声が出ない。
声にならぬ悲鳴が 胸の奥で響いていた。
レノンがリムジンを降りたとき
その悲鳴が聞こえた。
それは 僕の銃から出て
耳をつんざく音になった
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今も尚、牢屋に入っているマーク・D・チャップマン
彼は「ライ麦畑でつかまえて」の最終章と同じく、曖昧な現実を確認しつつ、自分自身の過去をかえりみているのだろうか?
そして、僕たちは問わなければならない。
本当のことは何だろう?
どこまでが本当なんだろう?
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