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人間、失格。

先日話題にあがったので、久々に読んでみた。

■人間失格

人間失格 (新潮文庫 (た-2-5))太宰 治新潮社このアイテムの詳細を見る

太宰治(ダザイ オサム)の小説。

初めて読んだのは

多感な青年のころ・・・

それ以降、何度か読んでいるが
読むたびに、味わい方が変わるな~
(年とった証拠か?)

この小説は魔術かなにかがかかっていて、読んでいてのめり込んでしまう。

ヤバいくらいにシンクロ率が高いんだ!

ところで
気になるんだけど、
女性の読む「人間失格」と、男性の読む「人間失格」は印象が大きく変わるんじゃないかな?

どうなの女子達?
(ま、この小説に関わらず、結局は人それぞれなんだろうけども・・・)

そうそう!
(簡単に話題を変えるが)

「人間失格」

って単語なんだけど

小説中に出てくるときは

「人間、失格。」

なんだよね。

人間、失格。
↑この「、」がかなり気に入っている!

「人間失格」ではなくて「人間、失格。」なんだよね!

重くのしかかる感じというか、説得力があるというのか、無気力さというのか・・・

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世間というのは、君じゃないか

ちなみに

僕が青少年の頃気に入っていたのは、次の下り。

友人(?)の堀木が主人公(葉三)に対して放った言葉

「・・・このへんでよすんだね。これ以上は、世間が、ゆるさないからな」

に対する、主人公の思考だ。

世間とは、いったい、何の事でしょう。人間の複数でしょうか。どこに、その世間というものの実体があるのでしょう。けれども、何しろ、強く、きびしく、こわいもの、とばかり思ってこれまで生きて来たのですが、しかし、堀木にそう言われて、ふと、
「世間というのは、君じゃないか」
という言葉が、舌の先まで出かかって、堀木を怒らせるのがイヤで、ひっこめました。
(それは世間が、ゆるさない)
(世間じゃない。あなたが、ゆるさないのでしょう?)
(そんな事をすると、世間からひどいめに逢うぞ)
(世間じゃない。あなたでしょう?)
(いまに世間から葬られる)
(世間じゃない。葬むるのは、あなたでしょう?)
汝は、汝個人のおそろしさ、怪奇、悪辣、古狸性、妖婆性を知れ! などと、さまざまの言葉が胸中に去来したのですが、自分は、ただ顔の汗をハンケチで拭いて、
「冷汗、冷汗」
と言って笑っただけでした。
けれども、その時以来、自分は、(世間とは個人じゃないか)という、思想めいたものを持つようになったのです。

「世間」というのは、実は「個人」ではないかと悟りを得た主人公はこう語る。

「そうして、世間というものは、個人ではなかろうかと思いはじめてから、自分は、いままでよりは多少、自分の意志で動く事が出来るようになりました。」

と・・・

やはり、多感な頃に読んだ時の記憶って、瑞々(ミズミズ)しいや!

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参考

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