職場へは、いつも始発列車に乗って出かけている。
無人駅、弓ヶ浜(ゆみがはま)
列車が来るまで、ベンチに座って待っている。
分厚い文庫本はミステリ。
そこへ、
『スミマセン』
中学生の集団(5~6人)が声をかけてきた。
これは…
まぎれもない…
オヤジ 借り 狩りっ!
ガクガク(((;゜Д゜)))ブルブル
ユルシテ....
…では
なかった。
中学生たちが声をかけてきた理由
それは
『千円落としませんでした?』
(ε=(^。^;A フゥ…
オヤジガリでない
…
どうやら、この無人駅の傍で千円札(3枚)を拾ったらしいのだ。
とりあえず、駅にいる僕に声をかけてみたらしい。
もちろん、ぼくは普段からそんな大金を持ち合わせていないので、『違う』と、返答しておいた。
彼らの話に聞き耳を立てていると、ネコババしたい気持ちをにじませながら、交番に届けることにしたらしい。
なんとも、平和なことか。
…そう
そして僕は、落し物大王の兄貴に確認メールをしてみた。
酔った兄貴はしばしば弓ヶ浜駅をフロついて帰路に着くからだ。
『弓ヶ浜駅付近で三千円落としてない?中学生が拾ったみたいだけど。』
兄の返信は…
『落としてないけど、俺のかもしれん。』
彼も昔は中学生だった。
…はず。