先日の飲み会で、後輩君から聞かれたことがある。
「それにしても、kazzさんのその行動力はどうやったら持続できるんですか?」
彼が言ったのは、僕の勉強姿勢についてだった。
図書館にこもっていたり、カバンがはち切れるほどの論文や本を持ち運んでいること・・・
具に答えた
「あまりにも君たちが勉強しないからスネているんだよ」
言っていて自分でも笑えた。
後輩君には後輩君の努力がある(はず)。
けども、そんなものを貶(ケナ)すような発言に笑えた。
先輩としては、もっとおだてないと(褒めないと)いけないのかもしれないな・・・
勉強しない(かのように見える)後輩君たちやリハスタッフに対する僕の感情は、結局は「同族憎悪」なのだと思う。
勉強しない(かのように見える)後輩君たちを見て、まるで、怠けている自分を見ているようで腹が立つのだ。
僕だってあんな気楽に暮らしていたい・・・というような気持ちをどこかに持っているんじゃなかろうかと、そんな嫌悪感を抱いてしまうのだ。
言葉を引用すると
『そうしてきた者は、そう思う。』
ということになろう。
つまり、僕は怠けている自分を知っているからこそ、後輩君を見ると、怠けているように見えるんだろう。
そして「なに怠けてるんだよ!」と腹が立つのだと思う。
偽善、あるいは、似非理想。
もう一つ、ヘルマン・ヘッセの言葉を借りよう。
----------------
我々がある人間を憎む場合
我々は彼の姿を借りて
我々の内部にある
何者かを憎んでいるのである。
----------------
自分に対する憎悪。
そして
あるべき自分から外れた自分を認めたくないから、腹が立つ。
そして頑張ってみる。
努力をしてみる。
・・・あるいはそのフリをする。
『話の真実の中身は、僕の行動の中に含まれているのだから、話はやめてしまってもいいのだった。』
(ベルンハルト シュリンク「朗読者」より)
だから、僕は無口になってしまっても、なんら支障はないのかもしれない。
ま、性格的に「無口」とか無理だけど(笑)。
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英語文献について
誕生日おめでとうございます。
今年も患者様にために大活躍を期待してます。
カズさんのように英語文献を読んでみたいのですが、中学英語でつまずいて以来ずっと英語から逃げて来ました。
そのため単語や文法がほとんど理解できていません。
中学英語から復習して英検2級を目標にしようかと考えていますが、カズさんは何から手をつけるのが良いと思いますか??
またどの程度の英語力が必要なのか教えてもらえませんか??
re:英語文献について
>PTS池田さん
おめでとうコメントありがとうございます!
「僕のように英語文献を読んでみたい」って僕も、スラスラ読めているわけではありません。鼻水たらしながらコツコツやっていますよ(笑)!
英文抄読のコツは「やる気」と「根性」だと思います。
努力無しに出来れば良いのですが、そうはいきません。
でも、薦めていくうちに、少しずつ読めるようになってくる者です。
「何からはじめれば良いか」について僕の場合は
1)
英語論文の目次を見て、目にとまった目次(タイトル)だけ翻訳してみる。
論文は「Lancet」「BMJ」「JAMA」「Circulation」「Stroke」が僕のおすすめです。
たとえば「rehabilitation(リハビリ)」や「stroke(脳卒中)」「fall(転倒)」などといった単語に出会えば、そのタイトルを訳してみればいいです。
ちなみに「The New England Journal of Medicine 」という雑誌は、日本語訳がでていますので、英語文と日本語文を読み比べるのも良いかと思います。
http://www.nankodo.co.jp/yosyo/xforeign/nejm/xf2hm.htm
2)余裕があれば論文の、アブストラクト(概要)の「はじめに」と「まとめ」のみ訳してみる。
とにかく、しばらくは根性がいると思います。
手っ取り早く読めるようになる方法は僕は知りません。
同じ単語を何度も調べたりすることもあって、バカバカしくなることもありますが、頑張ってください。
あと、文章を理解することを心がけた方がよいです。
「だいたい、こんなことを言っているんだな」
程度が良いと思います。
わざわざ、日本語に「書き直す」と時間ばかりかかって大変だと思います。
(たまにはいいと思いますが・・・)
最初に述べましたが、僕自身、スラスラ読めるわけではありません。
もっと良いアドバイスをしてくれる方がいるかもしれませんが、僕の経験としてはこのくらいです。
楽しんでください。