寒くなってきた。
痛みを感じる程の寒さだ。
仕事帰りの駅のホームではペンギン作戦を決め込んだ。
・・・つまり、パーカーのフードを被り、直立不動で列車を待つのだ。
列車内は温かい。
が、ホームでの寒さで縮みこまった身体は、なかなか動かせない。
そんな僕の心を、唯一慰めてくれるのは
『次の乗換の駅、米子駅では、愛おしいラーメンが僕を待っていてくれているはず。』
そういう暖かな気持ちだ・・・。
寒さに負けずに辿り着けば、きっとビールと共に僕を出迎えてくれるはず。
ラーメンよ
待っていてくれ。
ぼくを温めてくれ!
列車の乗換え時間は25分と短いけども、きっとなんとかなる。
米子駅についた僕は、走って改札を抜け、僕を待っているラーメンとビールを胸に心踊らせ、駅敷地内のラーメン屋「大和」に向かった。