今日は仕事終わりに出雲まで出かけて、日本理学療法士協会会長のお話を聞く機会を得た。
実は、以前お話を聞いた時には、あんまりいい印象はなかった。
前回は数年前になるんだけども、会長は学生や若手を前に、理学療法士が生きていくのは大変だとか、他職種との領土争いみたいなお話をされたように思う。決して間違いではなかったのだけども、夢のある話をしていただきたかったと感じたのを覚えている。
今回は、理学療法の誇りや夢とともに職能団体の意味を語られたと思うので、前向きに聞くことができた。
臨床のみならず政治方面についても、いままで尽力された先生なのだと感じた。
この先生がおられなかったらと思うとゾッとする、というのが感想だ。
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少し気になったのは、『国の借金と国民一人当たりの・・・』という、ありきたりの誤った表現。
経済の世界では当たり前で、いまこの表現は、少し間の抜けたマスコミが好んで使う表現だろう。
『国の借金』というのは誤りで、『政府の負債(Government Dept)』。
では、誰から借りてるの?
これは
政府は、国民が銀行に預けたお金を借りて運用をしている。
つまり、国民が借金を背負っているのではなくて、国民は金を(間接的に)貸している側なのだ。
なので、『国民一人あたり800万円の借金』という変な表現は、使う必要がないものだ。
で、ここらあたりは、三橋貴明さんのページ(ここ)に書いてあるので、よく読んでもらいたい。
または
借金大国1000兆円!日本は財政破綻寸前?三橋貴明
あるいは、(゜⊿゜)
日本の借金を超わかりやすく説明!麻生太郎 J-NSC
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今日のお話では一言しか出なかったのだけども、僕はTPPについてのことにも触れたい。
(実は、僕は「もう遅い」と思っているが・・・)
今からさかのぼること約20年前くらいだろうか。
日本に包括式支払制度の試行が日本でも行われた。
アメリカのDRG/PPSという支払方式だ。
簡単に言えば
疾患群分類ごとに支払額が決められている。
で、日本でこのやり方を試行したのだけどもうまくいかなかった。その結果生まれたのが、DPCによる支払方式だ。これは、日本版DRG/PPSだなんて、揶揄されている(あ、揶揄でなくて、賞賛?)
DPC(日本版DRG/PPS)では、診断群をさらに入院期間3期に分け、急性期の部分を高い値段に設定するようなものになっている。
さて、今回の診療報酬改定で、DPCによる支払方式は、実質2期となったのではないか?
入院期間3の支払割合を極端に小さくする(ように見せる)ことで、病院は1期か2期以内での入院期間設定をしなければならなくなる。
今後どうなるか
1期のみにするのだ。
ほぼDRG/PPSだ。
日本の医療費支払制度のDRG/PPS化が加速すれば、TPP参加の状態において、アメリカ保険会社が日本の医療を食い尽くすことになるだろう。
アメリカ式の保健医療体制、つまり極端に社会保障が抑えられ、資本主義的に自己責任化された医療補償構造。
簡単に言えば支払能力のあるものだけが、それなりの医療サービスを受けられるというもの。
この
日本にDRG/PPSを導入し、日本に非関税障壁を撤廃することで、アメリカの労働者や保険サービスを日本に入れ込む。
こういう構造は、侵略と言ってもいいではないかと、危惧している。
さて、
反面、チャンスはないかと考える。
日本には高齢者が増えていくが、その高齢者もいなくなるのだ(寿命というものがある)
大量にあふれた高齢者が、大量に亡くなるじだいにおいて、そのフィールドで活躍していた大量の医療者は職を失う・・・なんてことも懸念されている。
数十年後になるだろうか。
日本人セラピストもまた、海外に出稼ぎ(移住)するケースがかなり増え、当然となるだろう。今の時代は、海外で活躍するセラピストは希少だが、そうしなければ生きていけなく時代が来るかもしれない。
TPP(あるいはそれに変わる関税・非関税障壁撤廃)、少子社会が一つのきっかけか。
会長の話では、理学療法士養成において、3年生の教育制度をしいているのは、世界で日本のみとのこと。(まぁ、理学療法教育を行ってすらいない国も多いだろうが・・・)
今の日本の理学療法士は、世界基準では理学療法士補助者にしかなりえないようだ。
つまり、TPPの参加の後になるだろうけども
日本に押し寄せてくる海外のセラピストがリハビリテーションを行い、今日本で働いている理学療法士の立場にある人が、補助者として働く・・・なんてのも、あながちあり得ないことではないだろう。
最初に書いたけど、
実は、僕は「もう遅い」と思っている・・・
ならば、どうするか?
次の手を打つことを考えたほうが良いだろう。
日本のセラピストは呑気なので、今になってTPP参加の反対を言ったりしている。
つまり、踊らされているのだ。
※取り急ぎ以上。後日追記予定。