冷え込んできた。
朝、玄関を出ると、雪が舞っていた。
牡丹雪
フワフワと揺れて僕の前にたどり着く。
見上げると、無数の白い切片が、空を漂い、独特に揺らぎの中に僕は吸い込まれそうになる。
浮遊感
ソラの中、あるいは、深海の静かな底よう。
吐く息は白く、まるく見えるかと思うと、空気に滲み消えていく
そうして
自転車を走らせ、弓ケ浜駅に着く頃には、土はもう白くなりつつあった。
駅のホームでは身を縮めて、温度を逃すまいとしたけども、相反して冷気がコートの隙間から流れこんでくる。
また冬が来た。
足先が冷たい
かと思うと背筋に寒さが流れ込む。
足を踏みつつ、列車を待った。
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列車が目的地、松江の町に近づくに従って、車窓の景色もどんどん白くなっていった。
鉄道から伝わる振動を身体に味わいつつ、眠気を漂いつつ・・・
駅のホームに降り立つと、冷気が一気に流れ込んでくる。
慌ただしげな、人ごみ
人がいなくなるのを待ってから、階段を下りた。
改札はその向こう。
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扉を抜けると、バス停には、まばらに人だかりができていた。
白地に赤のラインのバス
白地に青のラインのバス
牡丹雪が景色を白く濁らせる
とても静かで、
歩道に積もる雪は、不規則にデコボコしていたけれど、
遠く見回すと、一定の割合でもって辺りは白く覆われている。
足で踏むと跡が残るが、たいしたコントラストにはならない。
一歩いっぽ、遠くに見える白い病院にむかって、歩を進める。
自分の呼吸を感じながら