チャリンコは世界を救う!
ではなくて、
『Cycling May Help Freezing of Gait in Parkinson's Disease』
↑
『チャリンコはパーキンソン病患者のすくみ足を改善させるかもしれんぞ。』
という記事。
最近の論文は、紙面のみではなくてweb版(オンライン版)というのがあって、ネット上で論文を発表するものがある。
(・・・という説明でいいのかわからないが)
で、
NEJM(The New England Journal of Medicine)のオンライン版に『Cycling for Freezing of Gait』という症例報告が掲載された。
オンライン版の面白いのは、動画も投稿されていることだ。
NEJMで紹介されたのは、58歳男性の特発性パーキンソン病患者さん。
パーキンソン病と診断を受けてから10年も経っていて、代表的な症状である「すくみ足」を呈している。それも重度。
この状態もビデオ
で紹介されている。
手の震えも顕著だけども、ほとんど歩くことができない。
やっとステップを踏み出すことができても、突進様になって、ついには転んでしまう。
方向転換もままならない。
ところがっ!!
Σ(  ̄□ ̄;)
ひとたび自転車に乗ると・・・
スイス~イ
ス~イス~イ
∧__∧
( ´∀`)
( O┬O
≡◎-ヽJ┴◎
どこまでも行く!
方向転換も安全確認しながら充分に行えているではないか!
さっきまでの歩けなかったおじさんとは別人のようだ!
NEJMの症例紹介によると、この逆説的な運動(kinesia paradoxica)はペダル漕ぎ(ペダルの回転運動)で説明されるだろうとしている。
つまり、外来刺激としての調子取りのキュー(合図)としてペダルこぎが役立っていると。
(もう一つの仮説としては、ペダルこぎの中枢が脳の新しい部位にあること)
・・・にしても、すごいよおじさん!
このNEJMの記事、4月1日(エイプリル・フール)の記事だから、ウソ(冗談)ってことないよね(笑)?
『""きわめて希な例""ではないと思われる。むしろ、見逃してきただけじゃないか・・・患者さんから聞いてなかっただけだったり、患者さんが自ら行ってなかったり。だけども、確かにこういったことは希ではないんだ。』Bloem医師(←症例報告した医師)はメドスケープ(Neurology)のインタビューに答えている。
Exciting Possibilities(マジスゲー可能性)
と小題が打たれているけども、やはり、こういった見逃しはあるかもしれない。
この症例報告をしたBloem医師も、おじさんから「毎日、15マイル(=約24km)自転車こいでるもんね!」といわれて、「まじっすか?できっこないっしょ」と思ったようだ。
・・・
とにかく、パーキンソン病患者さんについて、いろんな示唆がなされている。
薬のみならず、リハビリテーションの在り方についても言及されている。
学ぶこと多いな。
NEJM:e46「Cycling for Freezing of Gait」
video「Cycling for Freezing of Gait」
Medcape Today「Cycling May Help Freezing of Gait in Parkinson's Disease」
KAZZ BLOG「リハビリ」関連の記事
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The New England Journal of Medicine
medscapetoday
View Comments
Σ( ̄Д ̄;)
こ、漕いで直進するだけでなく、方向転換している上に降りているんですね・・・Σ( ̄Д ̄;)
曲がる時なんかは特に繊細な重心移動が必要でしょうに・・・。
確かにすごい!
僕たちももっともっと可能性に気付いていかんといけんですね。
re:Σ( ̄Д ̄;)
早速コメントありがとう!
すごいよね。
すごいけども、こいったことを確かに見逃しているかもしれないよね。
最初の「歩けないおじさん」の時点で、「自転車」という発想は出てこないと思う。
残念ながら。