夜中
カルテの記載も終わったので、
ゆっくりと病棟をまわって担当患者さんのところに行く。
僕の担当患者さん、今は9人。
その他、気になる人のところも回る。
最上階のICU(集中治療室)から始まり、各階を部屋を廻りながら降りていく・・・
そうやって
最後の内科の病棟につく。
おじいさんの部屋にそーっと入ると、、幽霊でも見たかのように眼を丸くされた。
「まだおるかっ!?」
と、おじいさん。
少し前まで死にかけていたおじいさんだ。
「もうすぐ帰りますよ。具合はどうですか?」
と声をかけると、
寝ていた体を起こして、テーブルの上の小さなノートを手に取られた。
「ホレホレ・・・」
と言って、ノートの途中のページを開いてみせてくれた。
おじいさんが開いたのは今日の日付の日記。
『聞いとれよ』という顔をして、おじいさんは日記の朗読をはじめられた。
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体ノ具合ヨシ。
午前ト午後ノ リハビリ モ具合ヨシ。
特ニ午後ノ リハビリハ 調子ガ良イ。
家に帰エレルヤウナ気ガスル
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毅然とした態度で読み上げられたが、
読み終えた後に
エヘヘ
と照れ笑いをして、顔をくしゃくしゃにして僕を見るおじいさんは楽しそうだった。
このおじいさんを
元気で家に帰したいと
そう思った。
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Unknown
本当に良かった!「病は気から」って、こんなに見事に証明して下さって。 長生きすることが、必ずしも幸せとは限りませんが、帰りたいと思える家があって、気にかけてくれる家族がいるなら、おじいさんには、元気で、長生きしてほしいですね。
病は気から
>cyamaさん
こんにちは
「病は気から」
この仕事をしていて、本当にそう思います。
心に活力が生まれた人は、良くなる。
「活気」だとか「意気消沈」だとか、そういった心のあり方が、病気や人生に大きく影響するのは確かです。
おじいさんが日記を読み終えるのをみて、本当に感動したんです。
ここまでくればもう大丈夫だろうなと思いました。
最大限のサポートでもって、元気に長生きしてもらいたいと、そう思いました。
夜中に
ちょっと間違えたらえらいことになりそうですが、
人間関係ができているからこその技ですね・・・
元気になって家に帰れる日を
私も陰ながら楽しみにしています♪
re:夜中に
>ひらかなさん
ぁ・・・
大丈夫です!
常識的な範囲での「夜中」です。消灯前の。
病棟ぶらぶら徘徊するのスキなんです(笑)。
応援有り難うございます!
皆さんの期待を背負って、できる限りのことしますね!