Categories: 理学療法/病院

リハビリ部門におけるBSC説明会

リハビリスタッフ向けに、BSCの説明会。

スタッフもPT(理学療法士)、OT(作業療法士)、ST(言語聴覚士)あわせて50人近くいるので、3回開催して、全員に受講してもらう形になっている。

BSCはBalanced Scorecard(バランスト・スコアカード)の略で業績管理手法の一つ。
経営的な面はもちろん、スタッフの育成や、業務効率、顧客が満足していただけるように運営を可視化していく手法と言っていいと思う。

BSCは主に以下の7つの構造を持っている。
(これがA3用紙に描かれている)

■ミッション(病院理念)
■ビジョン(3年後にあるべき姿)
■戦略マップ
■戦略目標
■重要成功要因
■業績評価指標(KPI)
■アクションプラン(行動計画)

『ミッション』はこの組織の理念。”ウチってこんなとこだよね”、”これをやり遂げるぜ”というところ

『ビジョン』はあるべき姿。大きな目標で、組織の3年目標とか5年目標を置く。”将来どうなりたいか?”

『戦略マップ』は”そのために何をするのか”を構造的に示したもの。どうやってゴールに達成するかというシナリオ。

『戦略目標』はその”戦略実現のための目標”を掲げる。

『重要成功要因』では目標を実現するための具体的な要因を出す。しかも、ほんとに重要だと思われるものを選ぶので”重要”成功要因

■業績評価指標(KPI)では戦略の達成度を評価・測定するにはどうするかを考えなければならない。数値で示されるように、工夫も必要だ。

■アクションプラン(行動計画)は”戦略目標達成のための短期的行動目標”。実はこれを考えるのが最も面白い。後述する。

ひとつのツールなので、使う側が上手く利用しなければ作成も運用もできないものだ。

『BSCとはミッションやビジョンで表される経営トップの”思い”を、現実的にベストなシナリオを作って実現に導くひとつの考え方、方法である。』(高橋義郎)

使える! バランス・スコアカード 一枚の表で目標が見える! 人が育つ! (PHPビジネス新書)
高橋 義郎
PHP研究所

院内でBSCが導入されて、僕は初期からのプロジェクトメンバに任命されていた。
それが7年も前になる。

いまは、プロジェクトメンバの活動はないのだけども、各部署・部門でBSCの活動が行なわれている。

申し訳ないのだが、
リハビリテーション課でのBSC運用は上手くいっていない状態だった。

簡単に言えば、パワハラが横行していたり、コミュニケーションが上手くいっていない部門では、BSCの運用は難しいと思う。
やっつけ仕事でBSCの紙面だけ作成してみても、意味がない(どころか徒労だろう)。

また、逆に考えると、BSCを導入することで、職場内の風通しを良くすることもできるかもしれない。

僕が重要視しているのは、アクションプラン。

うちの職場はまんざら悪い状態ではない
と思っている。

どこもそうかもしれないけども、いいアイデアを持っているスタッフはいるし、何かに挑戦しているスタッフはいる。

また、(これまた、どこもそうかもしれないけども)不満を持っているスタッフもいる。

で、このBSCを利用して、その不満を前向きに、つまり職場改善につなげていくことができると思っている。

不満ってのは、「もっとこうなったらいいのに」とか「なんでこんなことになっているんだ」ってことが多いと思う。

それが即アクションプランにつながると言っていいと思う。

不満がある。
ならば、それを変えようではないか!

BSCをつかってその不満を顕在化(見える化)して、改善に取り組めばいいし、人が気がついていないような斬新なアイデアを組織としての取り組みに変えることもできるのではないか?

これからどうなるかわからないけども、とにかく
BSCとはどんなものかを知る必要がある。

実は、こう言った勉強会(説明会)は何度目かになる。

でも、関心のないスタッフもいるだろうし、だれもがこう言ったことを覚えているわけではないだろうから、とにかく、僕は僕にできることをしようと思う。

現状の分析
何かやってみたいことはない?
あるいは、なにかやめたほうがいいものはない?

組織として、個人としての成長を促していくことを考えたい。

もちろんBSCのビの字を聞くだけで嫌悪感を抱くスタッフもいるだろうけども(組織には一定数そういう人種がいる)、やれる人たちがやれる範囲だけで、何かに挑戦していくこと、そのチャンスを作ることは楽しい。

―――――――

説明にはなるべく具体例は示さないようにしている。
なぜならば、その具体例に引きずられて自分たちのBSCを作成しかねないからだ。

逆に言えば、少し具体的なことがわかりにくい説明になっていると思う。

可能なは範囲で、BSC作成時点でアドバイスができたらいいと思っている。

―――――――

あと、SWOT分析

これを全スタッフにやってもらいたいと思っている。
客観的な自己分析をすることで、アイデアも浮かぶし、これからの目標に焦点を合わせることができると思う。

医療分野のBSC活用は、功を奏しているところと、そうでもないところと様々だと思う。

BSCはツールでしかないから。

でも、うまい具合に使うことができたら、かなり強くなれると思っている。

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参考

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足川 和隆 理学療法士18年生! 毎日、始発で出勤、最終で帰宅の米子~松江の通勤をしています!

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