毎週2回、NST回診がある。
セラピスト(理学療法士)として参加してしばらく経つのだけども、まだ、最高解を見つけられないでいるのが、回診時に使う自前資料の形式だ。
NST回診における理学療法士としての役割の一つは、対象患者さんの情報を把握し、基本情報や栄養に関わる情報はもちろん、リハビリならではなの情報を収集しチームに伝えることやアプローチを提案するにあると思う。
準備する情報には、運動状況や生活状況、退院や転院に関わる社会的背景(相談員からの情報なども引用する)など、さまざまなものがある。
また、病棟看護師との橋渡しをする能力も必要だと感じている。
以前、NSTに参加させてもらっていた当初に感じたことだけども、NSTは病棟を回診するそのチームに看護師はいない。
大きな急性期病院のなかでNSTが関わる病棟数も多いなかで
NST回診では病棟に団体で入っていき、チーム内で協議をし、その内容の結果を病棟看護師・医師に伝える(もちろん電子カルテの記録にも残す)。
チームに入ってわかったことだけども、NSTのなかで話し合われていることは、かなり奥深い。
あれはどうだ、これはどうだと検討に検討を重ねた結果、栄養関連メニューの変更などが導き出される。
病棟看護師がこの道のりを知らないことはモッタイナイと感じるのだ。
なぜにそのメニューに至ったのかという経過を担当の看護師さんに知ってもらいたい!
なので
NST回診の時には、担当の看護師さんを呼び出して、一緒に回診に参加するように声かけをする。
声かけをしなければ、大抵の看護師さんは遠巻きに(いきなりやってきた)NSTを眺め、結果を聞くだけになってしまう。
「NSTの人たちが来て、メニューを変更しました」
という状態にならないように、「なぜ」を知ってもらう必要があると思う。
理学療法士はさまざまな病棟に出入りしているので、NSTのなかでも病棟看護師に声がかけやすい存在だと思う(と、勝手に自負している)。
なので、病棟に着いたら、真っ先に看護師さんに声をかけて、
「これから○○さんのNST回診に入ります。時間があれば一緒に参加してみませんか?」
と声をかけるようにしている。
戸惑う看護師さんもおられる。
NSTから難しいことを聞かれたら嫌だとか、患者さんについての情報をしっかりと把握しているわけではないとか・・・
そういう理由で戸惑う感じだ。
そこに、安心感を与えられるような声かけも必要だと思う。
「食事の摂取状況とか排泄(排便・排尿)の状況とかわかれば教えてください」
というと、垣根が下がるように感じている。
そうこうして、その場にいてもらうだけで、案外にいろいろな情報が看護師さんの口からポンポンと出てくることがある。
輸液や食欲不振についてや患者さん言われる苦悩など・・・看護師さんの口から出される情報はリアルだ。
もちろん、NSTのなかに看護師さんがいるのが望ましいことなのだけども、看護師の勤務体系は複雑でコンスタントにNST回診に参加できる状態ではないし、全病棟に出入りしているフリーの看護師さんというのもいない。7対1看護などを維持するために、NSTに看護師を貼り付けにすることも難しいようだし。大きな組織において即時的にシステムを変えることは難しい。
なので、そこをカバーできる存在になりたいと思っている。
NSTと病棟看護師を橋渡しする能力も理学療法士の仕事として考えている。
話を元にもどすと・・・
(そうそう、回診時に使う自前資料の形式についてだ)
そういった看護師さんをサポートするような、口火を切らせるような情報をまえもって把握しておかなければならない。
「最近、食べられてないですかねぇ」
とか
「日中はなかなか起きれてないみたいですね?」
とか
こういった情報収集は、簡単なように思えてなかなか難しかったりする。
その情報がどこの埋もれているのかわからないので、熱型表や看護記録や相談員さんの記録を読み込まなければならない(ちなみに、医師記録は暗号並みに難しかったりする)。
これを通常業務(←理学療法ね)をしつつ、行うのは非常に効率的に行わなければならない。
なので
書式である程度形式を決めて、最低限の状態把握+αを行うようにしたいと思っている。
そうそう、前回のNST回診記録なども盛り込むと、さらに複雑になるけども、いままでの流れを把握しておくことも必須だし・・・。
電子カルテで、必要な箇所をプリントアウトするという手もあるのだけども、プリント枚数が半端なく多くなる。
体重、薬剤投与、看護師記録、医師記録、栄養、NSTカンファレンス記録、リハビリ記録、相談員記録・・・と膨大になり、エッセンスがどこにあるのかわからなくなる。大量のプリントアウト資料を回診時に持ち歩いても、紙をめくるのに時間をかけていては意味がない。
ノートパソコンを持つのは現実的ではないし、タブレットも入力の課題が生じるし、一覧性にはおとるかもしれないし・・・。
さぁ、どう解決しようか
で、最高解を模索しているのだ。
必要な項目を瞬時に見られる自前資料
毎回、少しずつチャレンジをしている。
こうやってみたらどうかとか、ああやってみたらどうかとか・・・
いままでで、破棄したアプローチは数知れず・・・。
でも、そこが楽しい!